リセールバリューワーストな車種を徹底解説!避けるべき車の特徴と対策方法

車の売却・査定を検討している方にとって、リセールバリューは非常に重要な指標です。しかし、すべての車が高いリセールバリューを持つわけではありません。本記事では、リセールバリューが低い(ワースト)車種の特徴を詳しく解説し、購入前に知っておくべき情報をお届けします。

リセールバリューとは?基本的な考え方

リセールバリューとは、購入した車を売却する際の「再販価値」のことです。新車価格に対して、何年後にどの程度の価値を維持しているかを示す指標で、通常はパーセンテージで表されます。

リセールバリューの計算方法

リセールバリュー(%)= 売却価格 ÷ 新車価格 × 100

例えば、300万円で購入した車を3年後に150万円で売却できた場合、リセールバリューは50%となります。

年数別リセールバリューの目安

経過年数一般的なリセールバリュー
3年後50~60%
5年後40~50%
7年後20~30%
10年後5~10%

リセールバリューワースト車種ランキング【2024年最新】

最新の調査データを基に、リセールバリューが特に低い車種をランキング形式でご紹介します。

1位:三菱 ミラージュ(残価率:18~20%)

  • 新車価格:149.1万円~164.5万円
  • 5年落ち売却相場:31.2万円
  • ワースト理由
    • グローバルモデルとして開発されたため、日本市場での特色が薄い
    • 競合他社のコンパクトカーと比較して魅力度が低い
    • 中古車市場での需要が限定的

2位:日産 フーガハイブリッド(残価率:17~18%)

  • 新車価格:654.9万円~709.9万円
  • 5年落ち売却相場:122.4万円
  • ワースト理由
    • 高級セダン市場の縮小
    • SUV人気の影響でセダン離れが進行
    • 新車価格が高い割に中古車需要が低い

3位:日産 リーフ(残価率:20~26%)

  • 新車価格:370.9万円~480.6万円
  • 5年落ち売却相場:98.4万円
  • ワースト理由
    • バッテリー劣化への懸念
    • EV全般のリセール低迷
    • 充電インフラ問題による需要の限定

4位:日産 マーチ(残価率:21~31%)

  • 新車価格:128.9万円~187.7万円
  • 5年落ち売却相場:40.2万円
  • ワースト理由
    • コンパクトカー市場の激戦
    • デザインの魅力不足
    • ハイブリッド車への需要シフト

5位:日産 ノート(残価率:25~35%)

  • 新車価格:202.4万円~254.1万円
  • 5年落ち売却相場:80.1万円
  • ワースト理由
    • e-POWERモデルの新車人気に対し、中古車は敬遠傾向
    • ガソリン車モデルの相対的な魅力低下

カテゴリ別ワースト車種の特徴

電気自動車(EV)のリセール問題

電気自動車は環境性能に優れる一方、リセールバリューでは苦戦しています。

EV特有の問題点:

  • バッテリー劣化リスク:スマートフォンと同様、リチウムイオンバッテリーは経年劣化する
  • 交換費用の高さ:バッテリー交換に6.5~20万ドル(約90万~280万円)が必要
  • 技術進歩の速さ:新型モデルの性能向上により旧型の価値が急速に低下
  • 充電インフラ不足:地域によって充電設備が不十分

補助金を考慮した実質リセールバリュー

実際には、EVは購入時に国や地方自治体から補助金を受けられるため、実質的なリセールバリューは改善されます。

例:400万円のEV

  • 国の補助金:42万円
  • 地方自治体補助金:45万円
  • 実質購入価格:313万円
  • 5年後売却価格:200万円
  • 実質リセールバリュー:約64%

高級セダンの値落ち

高級セダンは新車価格が高い分、値落ち幅も大きくなります。

代表的なワースト例:

車種新車価格5年後残価率
BMW 7シリーズ1,500万円~25%以下
レクサス LS1,071万円~25~50%
メルセデス・ベンツ Sクラス1,400万円~30%前後

高級セダンの値落ち理由:

  • SUV人気によるセダン離れ
  • 日本の道路事情に合わないサイズ
  • 維持費の高さ
  • 中古車購入層のニーズとのミスマッチ

輸入車(外車)のリセール課題

ドイツ車以外の輸入車は特にリセールバリューが低い傾向にあります。

輸入車のリセールが低い理由:

  • 需要の限定性:国産車に比べて購入層が限られる
  • メンテナンス費用:部品代が高く、修理できる工場が限定的
  • 信頼性への懸念:故障リスクが高いとの印象
  • 新車値引きの大きさ:100~150万円の値引きが車の価値を下げる
  • 中古車供給過多:人気車種でも在庫が豊富

リセールバリューが低くなる車の共通点

1. 人気・需要の低さ

最も根本的な要因は「人気のなさ」です。中古車市場は需要と供給のバランスで価格が決まるため、需要が少ない車種は必然的に値下がりします。

2. ボディタイプの影響

リセールが低いボディタイプ:

  • セダン(特に高級セダン)
  • 2ドアクーペ
  • ワゴン
  • マニアックな特殊車両

リセールが高いボディタイプ:

  • SUV(特にコンパクトSUV)
  • ミニバン
  • 軽自動車(SUVタイプ)
  • ピックアップトラック

3. カラーの影響

リセールが低いカラー:

  • イエロー系
  • レッド系
  • パープル系
  • その他個性的な色

リセールが高いカラー:

  • ホワイト(ホワイトパール)
  • ブラック
  • シルバー系
  • 車種のイメージカラー

4. モデルチェンジのタイミング

  • フルモデルチェンジ前の車種:「型落ち」として価値が下がる
  • マイナーチェンジの影響:人気装備追加時は旧型の価値が下落
  • 生産終了車:例外的に価値が上昇する場合もある

5. 技術革新の速さ

特にEVや先進技術搭載車は、新技術の登場により旧モデルの価値が急速に低下します。

地域別・市場別の特殊事情

海外需要の影響

一部の車種は国内でのリセールは低くても、海外では高値取引されています。

海外で人気の日本車:

  • トヨタ ランドクルーザー系
  • 日産 GT-R
  • ホンダ シビック Type R
  • マツダ RX-7(生産終了車)

地域特性の影響

  • 雪国:4WD車の需要が高い
  • 都市部:コンパクトカーの需要が高い
  • 地方:軽自動車の需要が高い

リセールバリューを改善する方法

購入時の対策

1. 将来性を考慮した車選び

  • 人気の継続性を重視
  • SUVやハイブリッド車を選択
  • 定番カラーを選択

2. グレード選択の重要性

  • 中間グレードが最もバランス良い
  • 最上級グレードは値落ちが激しい
  • エントリーグレードは需要が限定的

3. オプション選択の戦略

  • 純正オプションを重視
  • 人気の高い装備を選択
  • 個性的すぎるカスタマイズは避ける

保有中の対策

1. メンテナンスの徹底

  • 定期点検の実施
  • 純正部品での修理
  • 記録簿の保管

2. 走行距離の管理

  • 年間1万km以内を目安
  • 急激な距離増加を避ける

3. 外観・内装の保護

  • 禁煙車を維持
  • シートカバーやフロアマットの使用
  • 駐車場での保管

売却時の対策

1. 最適なタイミングの見極め

  • モデルチェンジ前
  • 需要の高い時期(春先、年度末)
  • 走行距離の節目前(5万km、10万km)

2. 複数業者での査定

  • 一括査定サービスの活用
  • 専門買取店での査定
  • ディーラー下取りとの比較

3. 車両の魅力アップ

  • 洗車・内装清掃の徹底
  • 小修理の実施
  • 車検残期間の確保

リセールバリューワースト車の賢い付き合い方

購入時の考え方

リセールバリューが低い車でも、以下の条件が合えば良い選択となります:

1. 長期保有予定

  • 10年以上乗り続ける計画
  • リセールを気にしない使い方

2. 初期費用の安さを重視

  • 中古車での購入
  • コストパフォーマンス重視

3. 特定の魅力への共感

  • デザインや性能への強いこだわり
  • ブランドへの愛着

購入を避けるべきケース

1. 短期間での乗り換え予定

  • 3~5年での売却予定
  • ライフスタイル変化の可能性

2. 資産性を重視

  • 投資的観点での車選び
  • 家計への影響を最小化したい

中古車として購入するメリット

リセールバリューが低い車は、中古車として購入する際には逆にメリットとなります:

1. お買い得感

  • 新車価格からの大幅値下がり
  • 高級車を手頃な価格で購入可能

2. 選択肢の豊富さ

  • 在庫数が多い
  • 希望条件に合う車を見つけやすい

今後のリセールバリューワースト予想

EV市場の変化

2025年以降の予想:

  • 初期EVモデルの更なる価値下落
  • バッテリー技術改善による格差拡大
  • 中古EV専門市場の形成

セダン市場の動向

長期的な予想:

  • セダン離れの継続
  • 高級セダンの二極化(超高級車と実用車)
  • 若年層の車離れ影響

自動運転技術の影響

将来的な影響:

  • 旧式車の価値急落可能性
  • 運転支援技術の標準化
  • 手動運転車の希少価値化

まとめ:リセールバリューワースト車との賢い付き合い方

リセールバリューが低い車には明確な理由があります。しかし、それらの車が必ずしも「悪い車」というわけではありません。重要なのは、自分のカーライフスタイルと車の特性を正しく理解することです。

リセールバリューワースト車選択時のチェックポイント

  1. 保有期間の明確化:短期なら避ける、長期なら問題なし
  2. 購入目的の整理:実用性重視か、資産性重視か
  3. 予算とのバランス:初期費用とトータルコストの比較
  4. メンテナンス体制:適切な維持管理ができるか
  5. 売却時の覚悟:リセールの低さを受け入れられるか

最終的な判断基準

最も重要なのは、自分が心から気に入った車を選ぶことです。リセールバリューは確かに重要な要素ですが、それだけで車選びを決めるべきではありません。適切な情報収集と計画的な購入・売却により、どんな車でも満足度の高いカーライフを送ることが可能です。

車の売却・査定をお考えの方は、複数の買取業者で査定を受け、愛車の真の価値を確認することをお勧めします。たとえリセールバリューが低いとされる車でも、適切な売却方法により、満足のいく取引ができる可能性があります。