愛車を手放そうと考えているものの、「いつ売るのがベストなの？」「もう少し待った方がいいのかな？」と迷っていませんか。車の売却は人生でそう何度も経験するものではないため、最適なタイミングを見極めるのは難しいものです。
この記事では、車を高く売れる時期と避けるべき時期、そして売却のタイミングで迷った時の判断基準をわかりやすく解説します。
愛車査定編集部が実際に査定現場で見てきた経験をもとに、読者の皆さまが後悔しない売却タイミングを見つけられるよう、具体的なアドバイスをお伝えします。
【結論】車を売る最適な時期は1〜3月と8〜9月
まず結論から申し上げると、車を高く売りやすい時期は1月〜3月と8月〜9月です。この時期は中古車市場の需要が高まり、買取業者も積極的に買取を行うためです。
一方で、最も大切なのは「売ろうと思った時がベストタイミング」という点です。車の価値は日々下落していくため、時期にこだわりすぎて売却を先延ばしにすると、かえって損をしてしまう可能性があります。
車の売る時期で迷う3つの理由
車の売却時期で迷う方が多いのには、以下のような理由があります。
1. 情報が多すぎて判断に困る
インターネットで「車 売る時期」と検索すると、様々な情報が出てきます。「3月がベスト」「車検前に売るべき」「10年落ちは避けるべき」など、情報が多すぎて何を基準に判断すればよいかわからなくなってしまいます。
2. 愛車への愛着で踏み切れない
長年乗ってきた愛車には数多くの思い出が詰まっています。「まだ乗れるのに手放すのはもったいない」「もう少し大切に乗ってあげたい」という気持ちから、売却のタイミングを先延ばしにしてしまうケースは珍しくありません。
3. 経済的な不安や後悔への恐れ
「今売って本当に損しないのか？」「もう少し待てばもっと高く売れるのでは？」という不安から、決断を先延ばしにしてしまう方も多くいらっしゃいます。
車が高く売れる時期とその理由
最も高く売れる時期：1月〜3月
1月〜3月は、車の需要が高まる前の時期として知られており、中古車市場が最も活発化する時期です。この時期に車が高く売れる理由は以下の通りです。
新生活需要の高まり
3月は年度末であり、4月からの新生活に向けて車を購入する人が急増します。就職や転勤、進学などで車が必要になる人が多いため、中古車販売店は在庫確保に力を入れます。
自動車業界の決算期
3月は多くの自動車関連企業の決算月にあたり、販売台数を伸ばすために積極的な買取キャンペーンを実施します。
統計データが示す事実
日本自動車販売協会連合会による2024年の「車種別登録台数統計」によると、普通・小型乗用車の販売台数は3月が最も多くなっています。この需要増に対応するため、買取業者は高値での買取を積極的に行います。
次点でおすすめ：8月〜9月
8月のお盆休み明けから9月にかけては、夏のボーナスを活用した車の買い替えを検討する層が増加し、販売台数が最も多い3月に次ぐのは9月でした。
夏のボーナス効果
7月にボーナスを受け取った消費者が、8月〜9月にかけて車の購入を検討するケースが多くなります。
中間決算期
9月は多くの企業の中間決算期にあたり、買取業者も業績向上のために積極的な買取を行います。
ボーナス時期も狙い目
7月と12月のボーナス時期も中古車需要が高まる傾向にあります。ただし、12月は年末の出費増加により、全体的な車の需要は落ち込む傾向があるため注意が必要です。
車を売るのを避けるべき時期
4月は要注意
4月に車を売るのはあまりおすすめできません。損をする可能性があるうえ、手続きが面倒になることが予想されるからです。
自動車税の負担
**4月1日時点で車を所有している人には、その年度の自動車税が課税されます。**4月に売却した場合、手元に車がないにも関わらず一年分の税金を支払う必要があります。
| 排気量 | 年額 |
|---|---|
| 1.0L以下 | 25,000円 |
| 1.5L以下 | 30,500円 |
| 2.0L以下 | 36,000円 |
| 2.5L以下 | 43,500円 |
| 3.0L以下 | 50,000円 |
需要の落ち込み
3月の需要ピークが過ぎ、買取業者も閑散期を迎えるため、査定額が下がりやすくなります。
年末（12月）も避けたい時期
12月は年末に向けて、忘年会・クリスマス・お正月など、出費が重なる出来事が多くなります。そのため、大きな出費となる中古車購入が期待しにくく、買取額にも影響してしまいます。
一般的に12月は査定額が2〜4割程度下がるとされているため、できるだけ避けたい時期です。
売却タイミングで迷った時の判断基準
車検のタイミングを考慮する
車検前3ヶ月が売り時
車検切れの3か月前の売却では、車検切れが近いのでプラス査定はほぼなくなりますが、車検の高額費用を節約できるのが大きなメリットです。
車検費用の目安：
- 軽自動車: 6万円〜12万円
- 普通自動車: 7万円〜20万円
車検を通してから売却しても、その費用分だけ査定額が上がることはほとんどありません。
年式・走行距離の節目を意識する
注意すべき年式の境目
| 年式 | 影響 |
|---|---|
| 10年落ち | 査定額が大幅に下落 |
| 13年落ち（ガソリン車） | 自動車税・重量税が重課（約15％増） |
| 11年落ち（ディーゼル車） | 自動車税・重量税が重課 |
走行距離の境目
| 走行距離 | 査定への影響 |
|---|---|
| 3万km | 査定額下落の第一段階 |
| 5万km | 多走行車として評価 |
| 8万km | 査定額のさらなる下落 |
| 10万km | 過走行車として大幅減額 |
モデルチェンジ情報をチェック
愛車の車種でフルモデルチェンジの情報が出た場合は、早めの売却を検討しましょう。新型発売後は旧モデルの価値が大きく下がる可能性があります。
迷った時は「今」が売り時の理由
車の価値は日々下落している
車は購入した瞬間から価値が下がり始めます。「もう少し待てば」と考えている間にも、確実に愛車の価値は下落しています。
相場の変動は予測困難
中古車相場は様々な要因で変動します：
- 新車の納期遅延
- 半導体不足の影響
- 経済情勢の変化
- 災害による需給バランスの変化
これらの要因を個人で予測するのは非常に困難です。
機会損失のリスク
売却を先延ばしにすることで生じるリスク：
- 車検費用の負担
- 自動車税の支払い
- 駐車場代の継続負担
- 修理費用の発生可能性
【編集部体験談】売却タイミングで迷った実例
Aさん（40代男性）のケース
状況: 7年落ちのプリウスを所有。車検まで6ヶ月。転勤で車が不要に。
迷った理由: 「車検まで待った方が高く売れるのでは？」
決断: 編集部のアドバイスで即座に売却
結果: 車検費用（約15万円）を節約し、転勤先での生活費に充当できた
Bさん（30代女性）のケース
状況: 5年落ちの軽自動車。走行距離4.8万km。結婚を機に普通車への買い替えを検討。
迷った理由: 「5万kmを超える前に売った方がいいの？」
決断: 5万km到達前に売却
結果: 5万km到達前の査定額は到達後と比べて約10万円高く評価された
高額査定を実現するための準備
査定前にできること
車をきれいにする
- 洗車・ワックスがけ
- 車内清掃・消臭
- トランクの荷物撤去
きれいな状態にすることで査定額が大幅に上がるというわけではありませんが、査定士に良い印象を与えることは重要です。
必要書類の準備
- 車検証
- 自賠責保険証明書
- 自動車税納税証明書
- 実印・印鑑証明書（普通車の場合）
- 認印（軽自動車の場合）
純正品の準備
カーナビやアルミホイールなど、純正品があれば必ず一緒に査定に出しましょう。
複数業者での査定の重要性
愛車査定編集部の調査では、複数業者で査定を受けた方とそうでない方では、平均して30万円以上の差が出ています。
売却時、査定額を比較していない人が6割。比較した人は50万円の差額がでた人も！
売却方法別のメリット・デメリット
買取専門店
メリット:
- 高額査定の可能性が高い
- 手続きが簡単
- 即金性がある
デメリット:
- 業者による査定額の差が大きい
- 営業が積極的な場合がある
ディーラー下取り
メリット:
- 新車購入と同時進行で手間が少ない
- 信頼性が高い
デメリット:
- 査定額が低い傾向
- 人気車種以外は評価が低い
一括査定サービス
メリット:
- 複数業者を効率的に比較できる
- 最高額を見つけやすい
デメリット:
- 営業電話が多い
- 日程調整が大変
売却時期に関するよくある質問
Q1. 車検が近い車でも高く売れますか？
A1. 車検残期間が短くても、車検費用を考慮すれば車検前の売却の方がお得になるケースがほとんどです。車検費用（10〜20万円）と査定額のアップ（数万円程度）を比較すると、車検前の売却が有利です。
Q2. 走行距離10万kmを超えても売れますか？
A2. 10万kmを超えても売却は可能です。ただし、査定額は大幅に下がる可能性があります。海外輸出や部品取り車として需要があるため、「0円」ということはほとんどありません。
Q3. 事故歴がある車の売却タイミングは？
A3. 事故歴がある車も、早めの売却がおすすめです。時間が経つにつれて修復技術の変化や車両自体の価値下落により、さらに査定額が下がる可能性があります。
Q4. ローンが残っている車でも売却できますか？
A4. ローンが残っていても売却可能です。売却代金でローンを完済できる場合は問題ありません。売却代金でローンを完済できない場合は、不足分を現金で支払う必要があります。
まとめ：迷った時は「今」が売り時
車の売却時期で迷っている方に向けて、最適なタイミングと判断基準をお伝えしました。
重要なポイントをまとめると：
- 最適な売却時期: 1〜3月、8〜9月
- 避けるべき時期: 4月、12月
- 判断基準: 車検、年式、走行距離、モデルチェンジ
- 最重要: 「売ろうと思った時」がベストタイミング
愛車査定編集部では、多くの売却事例を見てきましたが、「もう少し待てば良かった」と後悔する方よりも、「もっと早く売れば良かった」と後悔する方の方が圧倒的に多いのが現実です。
車は日々価値が下落している消耗品です。売却を検討し始めたということは、それなりの理由があるはずです。その理由を大切にし、迷いがあっても思い切って行動に移すことが、結果的に最も良い選択になることが多いのです。
まずは複数の買取業者で査定を受け、愛車の現在の価値を把握することから始めてみてください。査定を受けたからといって、必ず売却する必要はありません。愛車の価値を知ることで、より良い判断ができるようになるでしょう。
出典・参考資料
