年度末(3月)の車査定は本当に高い?最適な売却タイミングを徹底解説

「年度末なら車査定が高くなる」という話を聞いたことはありませんか?

実は、この考えには大きな誤解があります。車を高く売りたいなら、年度末(3月)ではなく、その「手前」がベストタイミングなのです。

本記事では、車査定と年度末の関係を詳しく解説し、愛車を最高額で売却するための最適なタイミングをお伝えします。車売却で損をしないためにも、ぜひ最後までお読みください。

結論:年度末(3月)の車査定は実は「注意が必要」

先に結論をお伝えすると、3月に車を売ることは避けた方が良いでしょう。

多くの方が「3月は需要が高いから査定額も高い」と考えがちですが、実際は以下の理由で損をするリスクが高いのです:

  • 自動車税の課税タイミングによる損失リスク
  • 買取業者の繁忙期による手続き遅延
  • 実は査定額のピークは2月まで

それでは、詳しく解説していきます。

なぜ「年度末が高い」と言われるのか?

新車販売の繁忙期が3月

日本自動車販売協会連合会による2024年の「車種別登録台数統計」を見ると、普通・小型乗用車の販売台数は3月が最も多かったことが分かります。

これは、以下の要因が重なるためです:

新生活需要の高まり

  • 4月からの就職・進学・転勤
  • 新生活準備としての車購入
  • 引越しに伴う車の必要性

自動車業界の決算期

  • 多くのディーラーが3月決算
  • 販売台数目標達成への最後の追い込み
  • メーカーからの販売奨励金獲得

中古車需要も連動して上昇

新車が売れる時期は、中古車の需要も高まります。これは:

  • 新車予算に届かない層が中古車を検討
  • 新車の納期遅延による中古車への流れ
  • 法人需要(決算前の設備投資)

こうした背景から「3月は車が高く売れる」というイメージが定着しているのです。

【重要】年度末(3月)に車を売る3つのリスク

1. 自動車税の課税リスク

最も注意すべきは自動車税の取り扱いです。

自動車税は4月1日時点の車の所有者に1年分が課税されます。つまり:

売却時期自動車税の課税
3月31日まで翌年度分の課税なし
4月1日以降1年分の自動車税が課税

具体例:排気量2,000ccの普通自動車の場合

  • 年間自動車税:約36,000円
  • 3月末までに売却完了:0円
  • 4月以降に売却:36,000円の負担

2. 手続き遅延による損失

3月は買取業者にとって年間最大の繁忙期です。

通常の手続き期間

  • 査定〜契約:1〜3日
  • 名義変更手続き:1週間程度

3月の手続き期間

  • 査定〜契約:1週間以上
  • 名義変更手続き:2〜3週間

3月に売却を依頼すると、車を手放したあとで自動車税が発生してしまうケースがあります。

3. 査定額の出し渋り

意外に思われるかもしれませんが、3月は買取業者が査定額を抑える傾向にあります。

理由

  • すでに在庫は確保済み
  • 決算期の利益確保優先
  • 需要が高いため強気の価格設定

車査定が最も高くなる時期は「2月」

なぜ2月がベストなのか

車買取店は3月の時点で売却可能な在庫車を揃えておく必要がありますから、車査定のベストタイミングは3月ではなく2月になっています。

2月に売却するメリット

メリット詳細
在庫確保への焦り3月販売に向けた積極的な買取
手続きの余裕確実に3月31日前の名義変更
自動車税回避翌年度分の課税を完全回避
人気車種は最高額需要ピークでの売却

1月〜2月前半も狙い目

1年のうちで中古車が最も高く売れる時期は1~2月ですという業界データもあります。

1月〜2月前半のメリット

  • 年始から活発な買取活動
  • 3月需要への準備期間
  • 余裕を持った手続き

9月も高額査定が期待できる「第2のチャンス」

年度末以外にも高額査定が期待できる時期があります。

9月が狙い目の理由

中間決算期

  • 多くの企業が9月決算
  • 販売台数向上への取り組み

転職・転勤シーズン

  • 異動に伴う車の需要
  • ボーナス支給後の購買意欲

秋の行楽需要

  • レジャー向けの車購入
  • ウィンタースポーツ需要

8月~9月も中古車市場が活性化する時期です。夏季休暇シーズンが終わり、秋の行楽シーズンに向けて車の需要が高まります。

8月も準備期間として有効

9月需要に向けて、8月から買取活動が活発化します。7月〜8月前半が第2の売り時といえるでしょう。

避けるべき売却時期

4月:需要の大幅減少

4月は、車の査定額が大幅に下落する時期です。3月までの買取価格が活況を呈していた直後だけに、4月の価格低下は非常に明確な傾向として現れます。

4月の問題点

  • 3月の反動による需要激減
  • 在庫過多状態
  • 自動車税の課税開始

12月(年末):年間最低水準

年末も車の需要が下がり買取相場が落ち込む傾向があるため、売却はおすすめできません。

年末の問題点

  • 年末年始の出費控え
  • 車検の混雑時期
  • 業界全体の活動低下

車種別・季節変動も考慮しよう

SUV・4WDの場合

時期相場傾向理由
11月〜2月高いウィンタースポーツ需要
3月〜9月やや低い需要の落ち着き

オープンカーの場合

時期相場傾向理由
3月〜9月高い春夏のドライブ需要
10月〜2月低い寒冷期の需要減

ファミリーカー(ミニバン等)

時期相場傾向理由
1月〜3月高い新生活需要
7月〜9月やや高い夏休み・転勤需要

高額査定を実現する5つのコツ

1. 最適なタイミングでの売却

おすすめ順位

  1. 2月(年間最高)
  2. 1月(年始需要)
  3. 8月(秋需要の準備)
  4. 7月(夏のボーナス後)

2. 車検前の売却

車検が残っていると査定額が高くなる場合があります。国産車と比べ、車検費用も高額になるためですが、一般的には車検前の売却がお得です。

車検費用の例

  • 軽自動車:6〜12万円
  • 普通自動車:7〜20万円

車検費用をかけても、その分査定額が上がるとは限りません。

3. 走行距離10万km前の売却

中古車を購入したい人のなかには、「走行距離10万km未満」の条件で探す人がいるため、10万kmを超える前に査定に出すほうが高値で売却できる可能性があります。

4. モデルチェンジ前の売却

新型モデルの発表により、現行モデルの価値は大幅に下落します。モデルチェンジ情報をチェックし、発表前の売却を心がけましょう。

5. 複数業者での相見積もり

1社だけの査定では適正価格が分かりません。最低3社以上での比較をおすすめします。

編集部の体験談:タイミングで30万円の差

【編集部体験談】

編集部スタッフのAさんが実際に体験した事例をご紹介します。

車両詳細

  • 車種:トヨタ プリウス(2019年式)
  • 走行距離:4.5万km
  • 売却検討時期:2024年2月

査定結果の比較

時期査定額差額
2月中旬180万円
3月下旬150万円-30万円

わずか1ヶ月の違いで30万円もの差が生じました。これは2月が需要のピークであり、3月下旬は手続きリスクを考慮した買取業者の査定額調整によるものでした。

Aさんのコメント 「最初は3月に売るつもりでしたが、自動車税のリスクを知って2月に前倒ししました。結果的に30万円も高く売れて、本当に良かったです。タイミングがこれほど重要だとは思いませんでした。」

2025年の売却カレンダー

最適な売却時期

おすすめ度理由
1月★★★★☆年始需要・3月準備期間
2月★★★★★年間最高の売り時
3月★★☆☆☆需要高いが手続きリスク
4月★☆☆☆☆需要激減・自動車税課税
5月★☆☆☆☆引き続き低調
6月★★☆☆☆やや回復傾向
7月★★★☆☆ボーナス後需要
8月★★★★☆9月需要への準備
9月★★★☆☆中間決算期
10月★★☆☆☆安定期
11月★★☆☆☆年末前の落ち着き
12月★☆☆☆☆年間最低水準

よくある質問(FAQ)

Q1. 3月に売ると本当に損をするのですか?

A1. 必ずしも損をするわけではありませんが、以下のリスクがあります:

  • 自動車税の課税リスク(3〜10万円程度)
  • 手続き遅延による年度跨ぎ
  • 査定額の出し渋り傾向

早めの2月売却をおすすめします。

Q2. 車検が近いのですが、受けてから売るべきですか?

A2. 基本的には車検前の売却をおすすめします。車検費用(7〜20万円)をかけても、その分査定額が上がるとは限らないためです。

Q3. どのくらい前から準備を始めるべきですか?

A3. 売却希望時期の1〜2ヶ月前からの準備をおすすめします:

  • 査定相場の調査
  • 複数業者への査定依頼
  • 必要書類の準備

Q4. 軽自動車も同じタイミングで売るべきですか?

A4. 基本的には同じですが、軽自動車税には還付制度がないため、3月売却時のリスクはより高くなります。2月中の売却を強くおすすめします。

まとめ:車を高く売るなら2月がベスト

重要ポイントのおさらい

  1. 年度末(3月)の売却は避ける
    • 自動車税の課税リスク
    • 手続き遅延の可能性
    • 査定額の出し渋り
  2. 最適な売却時期は2月
    • 年間最高の査定額期待
    • 手続きの安全性
    • 在庫確保への業者の焦り
  3. 第2のチャンスは8月
    • 9月需要への準備期間
    • 中間決算期の影響
  4. 避けるべき時期
    • 4月:需要激減
    • 12月:年間最低水準

車の売却は、タイミング次第で数十万円の差が生まれます。「年度末が高い」という先入観に惑わされず、適切な時期での売却を心がけましょう。

愛車を最高額で売却するために、この記事の情報をぜひお役立てください。


【出典・参考情報】

  • 日本自動車販売協会連合会「車種別登録台数統計」
  • 国土交通省「自動車保有車両数統計」
  • 各種中古車買取業者への取材データ

本記事の情報は2025年6月時点のものです。市場状況により変動する可能性があります。