新古車は買ってはいけない?車売却を検討中のあなたが知るべき真実と賢い車選び

  1. はじめに:なぜ「新古車は買ってはいけない」と言われるのか?
  2. 新古車とは?基本知識を正しく理解しよう
    1. 新古車の定義と正式名称
    2. 新車・中古車・新古車の違いを比較
  3. 新古車が市場に出回る理由:知っておくべき業界事情
    1. ディーラーの販売ノルマ達成のため
    2. 試乗車・展示車としての利用後
    3. 搬送中の軽微な損傷
  4. 「新古車は買ってはいけない」と言われる4つの理由
    1. 1. 選択肢が大幅に限られる
    2. 2. 保証や補助金制度の制限
    3. 3. 売却時の査定に不利な影響
    4. 4. 初回車検までの期間短縮
  5. 新古車のメリット:なぜ多くの人が選ぶのか
    1. 1. 新車より安く購入できる
    2. 2. 中古車より圧倒的に状態が良い
    3. 3. 納車期間が短い
    4. 4. 新車保証の継承が可能
  6. 新古車購入で失敗しないための7つのチェックポイント
    1. 1. 車両状態の詳細確認
    2. 2. 走行距離と登録時期の確認
    3. 3. 保証内容と継承手続きの確認
    4. 4. 価格妥当性の判断
    5. 5. 登録済未使用車の表記確認
    6. 6. 販売店の信頼性確認
    7. 7. 将来の売却を考慮した車種選び
  7. 新古車が安く手に入る狙い目タイミング
    1. 決算期後(4月・10月)
    2. ボーナス時期後(7月・12月)
    3. モデルチェンジ前後
  8. 車売却を検討中の方への賢い判断基準
    1. 新古車購入が向いている人
    2. 新古車購入を避けるべき人
  9. 新古車購入の代替案:車の新しい利用方法
    1. カーリースという選択肢
    2. 高品質中古車という選択
  10. 新古車の将来価値と売却時の注意点
    1. リセールバリューへの影響
    2. 売却タイミングの最適化
  11. まとめ:新古車は「買ってはいけない」車ではない
    1. 重要なポイントの再確認
    2. 最終的な判断基準

はじめに:なぜ「新古車は買ってはいけない」と言われるのか?

車の売却や査定を検討している方にとって、新古車は一見お得に見える選択肢です。新車に近い状態でありながら価格が安い”いいとこ取り”のように見える新古車ですが、なぜ「買ってはいけない」と言われることがあるのでしょうか?

**結論から言うと、新古車は「買ってはいけない」車ではありません。**ただし、メリットとデメリットを正しく理解せずに購入すると、思わぬ損失を被る可能性があります。

この記事では、車の売却・査定を検討中の方に向けて、新古車の真実と賢い車選びの方法を徹底解説します。

新古車とは?基本知識を正しく理解しよう

新古車の定義と正式名称

新古車とは、車両登録がされているものの、実際にはほとんど走行していない車のことです。新車販売ディーラーが試乗車や展示車として使用していることが多く「未使用車」と呼ばれることもあります。

正式には「登録(届出)済未使用車」という名称であり、消費者に新車と誤解されにくいように区別されています。

新古車の正式な定義:

  • 初度登録(届出)済みの車両
  • 使用歴や運行歴のない中古車
  • 走行距離は通常100km未満

新車・中古車・新古車の違いを比較

項目新車新古車中古車
価格最も高い新車より10-30万円安い最も安い
納期数週間~数ヶ月1-2週間即納可能
選択肢自由に選択可能在庫から選択在庫から選択
車検期間3年間登録時期により短縮車両により異なる
保証フル保証継承可能限定的
リセールバリュー最も高いやや低下車両により異なる

新古車が市場に出回る理由:知っておくべき業界事情

ディーラーの販売ノルマ達成のため

各自動車メーカーが自社の車を扱うディーラーに対し、一定の販売目標を設定することが一般的に行われています。そのため、販売目標をもう少しで達成できそうなディーラーは決算時期が近づくとインセンティブを目的として、自社で車を買い取ることがあります。

試乗車・展示車としての利用後

ディーラーなどで展示車や試乗車として使用されていた車も、新古車として販売されることがあります。特に試乗車は、ナンバーを付けないと公道上を走行出来ないので、初度登録は必須です。

搬送中の軽微な損傷

販売店などへの搬送中に傷が付いてしまった車も、新車として販売することはできません。しかし、だからといって傷の付いた車を廃車してしまうわけにもいきません。そのため、傷が付いた車は中古車販売店やオークションに流され、新古車として市場に出回るのです。

「新古車は買ってはいけない」と言われる4つの理由

1. 選択肢が大幅に限られる

新古車は前述したように、あくまで「すでに登録された在庫車」です。そのため、新車のようにボディカラーを選んだり、ナビや安全装備などメーカーオプションを自由に追加するといったことはできません。

具体的な制限:

  • ボディカラーの選択不可
  • メーカーオプションの変更不可
  • グレードの指定不可
  • 内装の仕様変更不可

2. 保証や補助金制度の制限

新古車はすでに「登録(届出)」された車両。この時点で法的には「中古車」として扱われます。そのため、以下の制限が出てきます:

  • エコカー減税や補助金制度の対象外
  • メーカー保証が継承されていない場合がある
  • 保証を継承するには点検・費用・手続きが必要

3. 売却時の査定に不利な影響

将来的に車を売却することを考えている方にとって注意したいのが、ワンオーナーではなくなること。新古車を購入した時点で2番目のオーナーとカウントされるため、その分、売却時の価格に影響が出てしまう可能性があるのです。

リセールバリューへの影響:

  • 一般的に、車のリセールバリューは3年50~60%、5年40~50%、7年20~30%、10年5~10%が平均的とされています。
  • ワンオーナー車と比較して5-10%程度査定額が下がる可能性

4. 初回車検までの期間短縮

新車であれば初回車検まで3年間の「持ち時間」があります。しかし、新古車の場合、過去に登録を済ませた時点から初回車検までの時間が刻々と迫っています。前年に登録した新古車であれば、登録からすでに1年以上の時間が経過している場合もあり、初回車検までの期間が2年を切っている可能性もあります。

新古車のメリット:なぜ多くの人が選ぶのか

1. 新車より安く購入できる

新古車は、ディーラーが既に登録済みの車両であるため、新車よりも安く購入できることが多いです。「新車とほぼ同じ状態なのに価格が安い」という点は、新古車の大きな魅力と言えるでしょう。

価格面でのメリット:

  • 車両本体価格:10-30万円程度安い
  • 登録諸費用:既に支払い済み
  • 自動車税:年度途中購入なら月割り負担なし

2. 中古車より圧倒的に状態が良い

新古車(登録済未使用車)は、登録だけされて公道上を運行していないため、各パーツの劣化が進んでいないことがほとんどです。したがって、ある程度使用されてから売却された中古車と比較すると、コンディションが良い点が魅力といえるでしょう。

3. 納車期間が短い

新古車は、新車よりも納車にかかる期間が短いです。新車は注文を受けてから生産されるため納車まで数ヶ月かかる場合もありますが、新古車は既に登録済みの車両なので、手続きさえスムーズに進めば新車よりも早く納車されることが多いです。

4. 新車保証の継承が可能

新古車では、新車の保証が継承できるケースがあります。新古車は新車販売ディーラーが販売実績のために登録した車両であるため、新車と同様にメーカー保証が付いている場合が多いです。

新古車購入で失敗しないための7つのチェックポイント

1. 車両状態の詳細確認

外装チェック項目:

  • ボディの傷・凹み
  • 塗装の色あせ・色ムラ
  • ドアの建て付け
  • タイヤの摩耗状況

内装チェック項目:

  • シートの擦れ・汚れ
  • 操作系統の動作確認
  • 異臭の有無
  • 装備品の動作確認

2. 走行距離と登録時期の確認

登録した場合だけの新古車であれば、走行距離は10〜100キロ未満というケースがほとんどです。これが新車とほぼ同じコンディションといわれる所以です。

確認すべき項目:

  • 走行距離(100km未満が理想)
  • 初回登録日
  • 車検満了日
  • 使用歴の詳細

3. 保証内容と継承手続きの確認

メーカー保証の継承には一定の条件があります。下記の条件について当てはまるか、しっかりと確認しておきましょう:

  • 違法な改造や、純正品以外の部品を使用していない
  • 保証書がある
  • 保証内容と保証期間が決まっている

4. 価格妥当性の判断

新車価格との比較:

  • 新車価格との差額が10万円以下の場合は新車を検討
  • 車検期間短縮分のコストを考慮
  • 総合的なコストパフォーマンスで判断

5. 登録済未使用車の表記確認

自動車公正取引協議会に加盟している中古車販売店なら、「新古車」のような曖昧な表示もなく安心して車選びができるでしょう。

6. 販売店の信頼性確認

信頼できる販売店の特徴:

  • 自動車公正取引協議会加盟店
  • メーカー認定中古車販売店
  • 豊富な在庫と実績
  • アフターサービス体制の充実

7. 将来の売却を考慮した車種選び

リセールバリューの高い車種:

  • トヨタ・レクサス系
  • 人気のSUV・ミニバン
  • ハイブリッド車
  • 定番カラー(白・黒・シルバー)

新古車が安く手に入る狙い目タイミング

決算期後(4月・10月)

実は新古車には流通の多いタイミングというものが存在します。それはずばり、決算期後の4月や10月です。新古車が市場へ出回るルートのひとつに、自動車メーカーから出されたノルマを達成するためにディーラーが購入するものがありました。決算が終わったあとに用済みとなった車を中古車販売店へ卸すため、この時期に新古車の流通が多くなるというわけです。

ボーナス時期後(7月・12月)

ボーナス時期になると、販売店もセールを行う傾向があります。新古車であっても、価格交渉しやすい時期になるため、安く購入できる可能性があるでしょう。

モデルチェンジ前後

  • 現行モデルの在庫処分時期
  • 新型発表前の駆け込み登録車
  • 型落ちによる価格下落タイミング

車売却を検討中の方への賢い判断基準

新古車購入が向いている人

以下に当てはまる方におすすめ:

  • 早急に車が必要
  • 新車と中古車の中間を求めている
  • 特定の仕様にこだわりがない
  • 初期費用を抑えたい
  • 保証付きの車が欲しい

新古車購入を避けるべき人

以下に当てはまる方は慎重に検討:

  • 自分好みの仕様にこだわりたい
  • 補助金・減税制度を活用したい
  • 将来の高額売却を重視
  • 長期間(7年以上)乗り続ける予定
  • ワンオーナー車にこだわりがある

新古車購入の代替案:車の新しい利用方法

カーリースという選択肢

新古車購入以外でお得に車を利用したい場合には、カーリースもおすすめです。特に、出光興産(株)の提供する新車・中古車カーリース「ポチモ」は、他社にはない独自のサービスが盛りだくさん!

カーリースのメリット:

  • 初期費用なし
  • 月額定額支払い
  • 車検・保険込み
  • 最新車種の利用可能
  • 契約満了後は車がもらえるプランもあり

高品質中古車という選択

新古車以外の選択肢:

  • 認定中古車(メーカー保証付き)
  • 低走行距離車(1-2万km)
  • ワンオーナー車
  • 試乗車落ち

新古車の将来価値と売却時の注意点

リセールバリューへの影響

リセールバリューとは、一般的に「保有する自動車を売却する際に、その車のもつ経済的価値」を指します。リセールバリューの高い車は残価率が高く、売却時に高い買取金額が期待できます。

新古車のリセールバリューへの影響:

  • ワンオーナー車と比較して5-10%減額
  • 登録年月による年式の古さ
  • 新車購入時より安く買えた分は相殺される場合が多い

売却タイミングの最適化

車の売却結果に「満足している」人の満足理由においては、『希望していた金額(以上)で売却ができたから』という回答が最も多かったものの、『売却を希望期間内で完了できたから』『良い買い手に恵まれ、手続きもスムーズだったから』など、金額面以外の満足理由を選択する人も一定数見られました。

最適な売却タイミング:

  • 初回車検前(2-3年後)
  • 走行距離3-5万km前
  • モデルチェンジ前
  • 市場需要の高い時期

まとめ:新古車は「買ってはいけない」車ではない

新古車の購入は「買ってはいけない」と言われることもありますが、必ずしもそうではありません。むしろ、賢く選べば多くのメリットを得ることができる賢い選択となり得ます。

重要なポイントの再確認

  1. 新古車は中古車だが新車に近い状態
  2. 価格・納期面でメリットがある
  3. 選択肢の制限とリセールバリューの影響を理解
  4. 車両状態と保証内容の確認が重要
  5. 購入タイミングで価格が変わる

最終的な判断基準

新古車購入の成功のカギは、正しい知識に基づいた判断です。メリットとデメリットを十分理解し、自分のライフスタイルや予算に合った選択をすることが大切です。

車の売却・査定を検討中の方は、新古車も含めた様々な選択肢を比較検討し、最も適した車選びを行いましょう。


【参考情報】

  • 中古車市場規模:約3兆9,062億円(2023年)
  • 新古車の平均価格差:新車比10-30万円安
  • 平均的なリセールバリュー:3年後50-60%
  • 新古車の流通が多い時期:4月、7月、10月、12月

この記事の情報は2025年6月時点のものです。最新の市場動向や制度については、販売店や関連機関にご確認ください。