はじめに
車を売ろうと考えているとき、「いつ売るのがベストなのか」という疑問を抱く方は多いでしょう。実は、車の売却タイミングを適切に見極めることで、同じ車でも数十万円の差が生まれることがあります。
本記事では、車を高く売りたい・早く売りたい方に向けて、車を売る最適なタイミングについて詳しく解説します。時期別の売却のメリット・デメリット、避けるべき時期、さらに高額査定を獲得するためのコツまで、実践的な情報をお届けします。
【結論】車を売るベストタイミング
- 1月~3月:最も高く売れる時期
- 7月~9月:夏のボーナス時期で需要が高まる
- 車検前:余計な費用をかけずに売却
- 走行距離10万km前:査定額の大幅下落を回避
車を売る最適な時期は「1月~3月」と「7月~9月」
1月~3月が最も高く売れる理由
車を売却するのにおすすめの時期は1~3月と9月です。1~3月には、買取業者や買取専門店が車の買取を強化します。新生活のスタートを前に車の需要が高まるため、在庫の確保に力を入れるのです。
1月~3月が高く売れる3つの理由
- 新生活需要の高まり
4月からの新生活に向けて、就職・転勤・進学などで車の購入需要が急増します。 - 決算期の重なり
3月は車買取業者の決算期にあたり、買取相場が活気付く傾向があります。 - 在庫確保の強化
買取業者は3月の販売繁忙期に向けて、1~2月に積極的な買取を行います。
7月~9月も狙い目の時期
夏季が高く売れる理由
- ボーナス需要
夏のボーナスが支給される「7月」には、多くの買い手が市場に参入し、中古車への需要が高まります。 - 中間決算期
買取業者の中間決算期にあたり、買取相場が活気付く傾向があります。 - 秋の需要準備
秋の転職・転勤シーズンに向けた在庫確保需要があります。
売却を避けるべき時期
4月の売却は要注意
4月1日以降に車を売却すると、その年1年分の自動車税の納税義務が発生してしまいます。
4月売却のデメリット
- 自動車税1年分の負担(約2.5万円~11万円)
- 手続きの複雑化
- 買取需要の低下
年末(12月)の売却も避けたい
12月は中古車購入の需要が少なくなる時期のため、車の売却をおすすめできないタイミングです。
年末売却のデメリット
- 出費重複による購入意欲の低下
- 査定額の2~4割程度の下落
- 買取業者の閑散期
車の状態から判断する売却タイミング
車検前がベストタイミング
車検を通してからの方が査定額が高くなるように思えるかもしれませんが、そこまでの差はありません。むしろ、車検にかかったお金の分だけ出費が増えることになります。車検前に売却してしまうのが賢明です。
車検関連の売却タイミング表
タイミング | 車検費用 | 査定額への影響 | 推奨度 |
---|---|---|---|
車検3ヶ月前 | 0円 | ±0 | ★★★★★ |
車検直後 | 7~20万円 | +2~5万円 | ★★☆☆☆ |
車検切れ後 | 0円 | -1~3万円 | ★★☆☆☆ |
年式・走行距離による売却タイミング
走行距離10万kmが重要な境界線
走行距離10万キロというのは、中古車の価格が大幅に下がるターニングポイントになります。中古車価格でもし300万円の価値がある車でも、走行距離が10万キロ以上かそうでないかで、買取価格がまったく違うのです。
年式・走行距離別売却タイミング
年式 | 走行距離 | 売却推奨度 | 理由 |
---|---|---|---|
3年落ち | 3万km | ★★★★★ | 最高値期待 |
5年落ち | 5万km | ★★★★☆ | まだ高値維持 |
7年落ち | 7万km | ★★★☆☆ | 価格下落開始 |
10年落ち | 10万km | ★★☆☆☆ | 大幅下落前 |
13年落ち | 13万km | ★☆☆☆☆ | 重課税対象 |
13年落ちは税金面でも不利
ガソリン車の場合は、13年落ちも売却のタイミングです。なぜなら、新規登録から13年経過した車には、自動車税(種別割)の重課措置が設けられているからです。13年が経過した車は、概ね15%の税率アップとなります。
モデルチェンジ前も重要な売却タイミング
モデルチェンジが実施されて現在所有してる車のモデルが古くなると、新しいモデルを購入したい人が増えるので、その分価値も下がってしまいます。その前に手放した方がお得に車を売却できるのです。
モデルチェンジ対策
- 所有車種のモデルチェンジ情報を定期的にチェック
- フルモデルチェンジの発表があれば早めに売却検討
- マイナーチェンジでも影響がある場合は要注意
高く売るための5つのコツ
1. 複数業者での査定比較
複数の買取業者で査定を受けることで、20~30万円の差が生まれることも珍しくありません。
2. 車の清掃・メンテナンス
- 洗車・車内清掃で第一印象を向上
- 小さなキズや凹みの修理
- エンジンオイル交換などの基本メンテナンス
3. 必要書類の準備
事前に必要書類を揃えることで、スムーズな手続きが可能です。
必要書類一覧
- 車検証
- 自賠責保険証明書
- 自動車税納税証明書
- 印鑑登録証明書
- 実印
4. オプション・付属品のアピール
- 純正ナビ・ETC
- スタッドレスタイヤ
- ドライブレコーダー
- メンテナンス記録簿
5. 市場価値の把握
事前に相場を調べることで、適正価格での売却が可能です。
【編集部体験談】実際の売却タイミングでの価格差
Aさん(30代・会社員)の体験 「同じ車を2月と5月に査定してもらったところ、2月の方が25万円も高い査定額でした。時期の重要性を実感しました。」
Bさん(40代・主婦)の体験 「車検を通してから売却しようと思っていましたが、車検前に売ったほうが結果的に10万円お得でした。」
まとめ:車を売るベストタイミングの判断基準
車を高く売るためには、以下の要素を総合的に判断することが重要です:
【最優先】時期の選定
- 1月~3月または7月~9月での売却
- 4月と12月は避ける
【重要】車の状態
- 車検前での売却
- 走行距離10万km前での売却
- 13年落ち前での売却
【基本】準備の徹底
- 複数業者での査定比較
- 車の清掃・メンテナンス
- 必要書類の事前準備
最も大切なのは「早めの行動」です。 車の価値は時間とともに下がっていくため、売却を検討し始めたら、できるだけ早く行動することが高額売却への近道です。
適切なタイミングで売却することで、愛車を最高値で手放し、次の車購入資金に充てることができるでしょう。売却を検討されている方は、ぜひ本記事の内容を参考に、ベストなタイミングを見極めてください。
参考資料
- 日本自動車販売協会連合会「車種別登録台数統計」
- 一般財団法人自動車検査登録情報協会「車両平均使用年数統計」
- 国土交通省「自動車関係税制について」