免停になったら知っておくべき流れと手続き完全ガイド

**免停通知が届いてお困りですか?**この記事では、免停(免許停止)処分を受けた場合の一連の流れや必要な手続きについて、初心者にもわかりやすく詳しく解説します。免停期間中に車の売却を検討される方も多いため、関連する情報も含めて包括的にご紹介します。

  1. 免停(免許停止)とは?基本知識
    1. 免停の定義
    2. 行政処分と刑事処分の違い
  2. 免停になる条件と違反点数
    1. 基本的な免停条件
    2. 前歴による免停点数の違い
    3. 免停期間の決まり方
    4. 一発免停の対象違反
  3. 免停通知書の種類と内容
    1. 通知書が届くまでの期間
    2. 2種類の免停通知書
    3. 通知書の記載内容
  4. 免停処分の流れ【完全解説】
    1. 【パターン1】出頭要請通知書の場合
      1. ステップ1:通知書の確認
      2. ステップ2:運転免許センターへ出頭
      3. ステップ3:手続きの実施
      4. ステップ4:免停講習の検討(任意)
      5. ステップ5:免許証の返還
    2. 【パターン2】意見の聴取通知書の場合
      1. ステップ1:意見の聴取への出席
      2. ステップ2:意見の聴取の内容
      3. ステップ3:処分の決定
      4. ステップ4:以降の流れ
  5. 免停講習で期間短縮する方法
    1. 免停講習の概要
    2. 講習の種類と短縮効果
    3. 講習費用
    4. 講習内容
    5. 成績評価基準
    6. 受講可能期間
  6. 免停期間中の注意点
    1. 絶対に運転してはいけない
    2. 車の管理について
    3. 職業運転手の方へ
  7. 車の売却を検討される方へ
    1. 免停期間中でも車の売却は可能
    2. 売却のメリット
    3. 車売却時の必要書類
      1. 普通車の場合
      2. 軽自動車の場合
    4. 住所変更がある場合の追加書類
    5. 売却時の注意点
  8. 免停と免許取り消しの違い
    1. 基本的な違い
    2. 免許取り消しの条件
    3. 処分の軽減可能性
  9. よくある質問
    1. Q1: 免停通知が来ないのですが?
    2. Q2: 出頭日に行けない場合は?
    3. Q3: 免停期間中に車検が切れそうです
    4. Q4: 免停講習は絶対受けるべき?
    5. Q5: 免停中でも車の名義変更はできる?
    6. Q6: 家族の車は運転できる?
    7. Q7: 免停期間を無視して運転したら?
    8. Q8: 代理人による免許返還は可能?
  10. まとめ
    1. 免停処分の重要ポイント
    2. 免停を避けるための予防策
    3. 車売却を検討される方へのアドバイス

免停(免許停止)とは?基本知識

免停の定義

**免停(免許停止)**とは、一定期間運転免許の効力を停止させる行政処分です。令和5年の運転免許の停止件数は16万5,626件にのぼります。免停は交通違反や事故により累積した違反点数が一定の基準に達した場合に科される処分で、処分期間は最短30日から最長180日までの6段階に分かれています。

行政処分と刑事処分の違い

交通違反をした場合の処分には「行政処分」と「刑事処分」の2種類があります。

行政処分

  • 点数制度による処分
  • 反則金の支払い
  • 免停、免許取り消し
  • 公安委員会が実施

刑事処分

  • 裁判所での処理
  • 罰金刑や懲役刑
  • 重大な違反や悪質な違反が対象
  • 前科がつく

免停は行政処分にあたるため、基本的に前科はつきません。


免停になる条件と違反点数

基本的な免停条件

過去3年間に免停経験がない場合、累積違反点数が6点以上になると免停処分を受けます。ただし、これまでの処分歴(前歴)によって免停になる点数は変わります。

前歴による免停点数の違い

前歴の回数免停になる点数免許取り消し点数
なし6点~14点15点以上
1回4点~9点10点以上
2回2点~4点5点以上
3回2点~3点4点以上
4回以上2点~3点4点以上

免停期間の決まり方

前歴回数30日60日90日120日150日180日
なし6-8点9-11点12-14点
1回4-5点6-7点8-9点
2回2点3点4点
3回2点3点
4回以上2点3点

重要なポイント: 前歴が多いほど、少ない点数で長期間の免停になります。

一発免停の対象違反

以下の違反は一度で6点以上の点数が付くため、前歴なしでも即座に免停となります:

  • 酒酔い運転(35点)
  • 無免許運転(25点)
  • 妨害運転(あおり運転)(25点)
  • 酒気帯び運転(13-25点)
  • 30キロ以上の速度超過(6-12点)
  • 共同危険行為(25点)

免停通知書の種類と内容

通知書が届くまでの期間

免停通知書が郵送されるのは警察の取り締まりから~1ヵ月程度といわれています。早くて数週間、違反の内容によっては2か月以上かかる場合もあります。

2種類の免停通知書

免停通知書には処分の重さによって2種類があります:

通知書の種類対象期間該当者
出頭要請通知書90日未満・前歴なしの6-11点<br>・前歴1回の4-5点
意見の聴取通知書90日以上・前歴なしの12-14点<br>・前歴1回の6-9点<br>・前歴2回以上

通知書の記載内容

どちらの通知書にも以下の情報が記載されています:

  • 交通違反の履歴と累積点数
  • 免許停止となる日数
  • 出頭日と出頭場所
  • 必要な手続きの詳細

免停処分の流れ【完全解説】

【パターン1】出頭要請通知書の場合

ステップ1:通知書の確認

  • 出頭日、出頭場所、免停期間を確認
  • やむを得ない事情で変更が必要な場合は必ず事前連絡

ステップ2:運転免許センターへ出頭

  • 重要:公共交通機関を利用(帰りに運転できなくなるため)
  • 持参するもの:
    • 免停通知書
    • 運転免許証
    • 印鑑
    • 現金(印紙購入用)

ステップ3:手続きの実施

  1. 申請書類への記入
  2. 運転免許証の提出
  3. 印紙の購入・貼付
  4. この時点で免停開始

ステップ4:免停講習の検討(任意)

  • 受講により期間短縮が可能
  • 詳細は後述の「免停講習」の章で解説

ステップ5:免許証の返還

  • 免停期間終了後、警察署で手続き
  • 平日8:30-17:00の間に来署
  • 必要書類:
    • 運転免許停止処分書
    • 印鑑
    • 身分証明書

【パターン2】意見の聴取通知書の場合

ステップ1:意見の聴取への出席

  • 警察署または運転免許センターで実施
  • 付添人(弁護士等)の同席可能
  • 欠席も可能だが、主張がある場合は出席推奨

ステップ2:意見の聴取の内容

  • 事実確認:違反内容、事故概要の確認
  • 弁明の機会:処分軽減の可能性について説明
  • 証拠提出:示談書、嘆願書、反省文等の提出可能

ステップ3:処分の決定

  • 運転免許停止処分書の交付
  • 意見聴取当日から免停開始

ステップ4:以降の流れ

  • 出頭要請通知書の場合と同様

免停講習で期間短縮する方法

免停講習の概要

免停講習(停止処分者講習)を受講することで、免停期間を大幅に短縮することができます。これは任意の講習で、受講するかどうかは本人が選択できます。

講習の種類と短縮効果

免停期間講習区分講習時間短縮日数(成績別)
30日短期講習1日(6時間)優:29日 良:25日 可:20日
60日中期講習2日(10時間)優:30日 良:27日 可:24日
90日長期講習2日(12時間)優:45日 良:40日 可:35日
120日長期講習2日(12時間)優:60日 良:50日 可:40日
150日長期講習2日(12時間)優:70日 良:60日 可:50日
180日長期講習2日(12時間)優:80日 良:70日 可:60日

講習費用

  • 短期講習:12,600円
  • 中期講習:21,000円
  • 長期講習:25,200円

講習内容

  1. 教材・ビデオによる講義
  2. 運転適正検査
  3. シミュレーターによる模擬運転
  4. 座学
  5. 筆記試験

成績評価基準

  • :正答率85%以上
  • :正答率70%以上
  • :正答率50%以上

試験結果と受講態度を総合的に評価して成績が決定されます。

受講可能期間

重要: 免停処分を受けた日から期間の半分が経過するまでの間に限定されています。


免停期間中の注意点

絶対に運転してはいけない

免許の停止期間中は無免許の状態になるため、車やバイクなどの車両は絶対に運転しないでください。無免許運転の違反行為は25点の違反点数が加点されるので、免許取り消しとなってしまいます。

車の管理について

免停期間中でも車の所有権は変わりません。以下の点にご注意ください:

  • 車検の継続:期限切れにならないよう注意
  • 任意保険の継続:運転しなくても保険は継続推奨
  • 定期的なメンテナンス:バッテリー上がりや劣化防止

職業運転手の方へ

  • 会社への報告:就業規則に従い速やかに報告
  • 業務調整:免停期間中の業務配置転換等を相談
  • 復帰準備:免停終了後のスムーズな復帰に向けた準備

車の売却を検討される方へ

免停期間中でも車の売却は可能

免停処分を受けても、車の所有権には影響しません。そのため、免停期間中でも車の売却は法的に問題ありません

売却のメリット

  1. 維持費の節約
    • 駐車場代
    • 任意保険料
    • 車検費用
    • 税金
  2. 資産の有効活用
    • 売却資金を他の用途に活用
    • 車の価値下落を避ける
  3. 復帰時の選択肢
    • 免停終了後に新しい車を購入
    • カーシェアリングやレンタカーの活用

車売却時の必要書類

普通車の場合

  • 自動車検査証(車検証)
  • 自賠責保険証明書
  • 自動車税納税証明書
  • 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
  • 実印
  • 委任状(買取業者が用意)
  • 譲渡証明書(買取業者が用意)

軽自動車の場合

  • 自動車検査証(車検証)
  • 自賠責保険証明書
  • 軽自動車税納税証明書
  • 認印
  • 自動車検査証記入申請書(買取業者が用意)

住所変更がある場合の追加書類

  • 住民票(1回の引越しの場合)
  • 戸籍の附票(2回以上の引越しの場合)
  • 戸籍謄本(結婚等で姓が変わった場合)

売却時の注意点

  1. 免許停止中でも本人確認は可能
  2. 代理人による売却も可能(委任状が必要)
  3. 車の引き渡しは業者が対応
  4. 売却後の名義変更は業者が実施

免停と免許取り消しの違い

基本的な違い

項目免停(免許停止)免取(免許取り消し)
期間30-180日無期限(再取得必要)
復活自動的に復活再取得が必要
点数6-14点15点以上
欠格期間なし1-10年

免許取り消しの条件

過去3年間の累積点数が一定の点数に達した場合に、30日から180日の間、免許の効力を停止する処分で、免停(めんてい)ともいわれます。一方、免許取り消し処分を受けると、免許を取得する前と同じ状態になりますので、再び車を運転するためには改めて免許を取り直さなければいけません。

処分の軽減可能性

意見の聴取での弁明により、処分が軽減される可能性があります:

  • 免許取り消し → 免停180日以下
  • 免停期間の短縮(30-60日程度)

ただし、軽減は特別な事情が認められた場合のみです。


よくある質問

Q1: 免停通知が来ないのですが?

A: 違反から1-2ヶ月程度は通常の範囲です。半年以上来ない場合は以下で確認してください:

  1. 警察署への問い合わせ:交通反則通告センターに電話
  2. 自動車安全運転センター:累積点数等証明書を発行(670円)

Q2: 出頭日に行けない場合は?

A: 必ず事前に連絡してください。無断欠席は罰金や逮捕の可能性があります。理由を説明すれば日程変更が可能です。

Q3: 免停期間中に車検が切れそうです

A: 以下の対応が可能です:

  • 代理人による車検:委任状があれば可能
  • 車検代行業者の利用:引き取り・納車サービス活用
  • 売却検討:車検費用を考慮して判断

Q4: 免停講習は絶対受けるべき?

A: 強制ではありませんが、大幅な期間短縮が可能なため受講を推奨します。特に30日の免停なら「優」評価で29日短縮され、実質1日で済みます。

Q5: 免停中でも車の名義変更はできる?

A: 可能です。免停は運転の禁止であり、車の所有権や名義変更には影響しません。

Q6: 家族の車は運転できる?

A: 一切運転できません。所有者に関係なく、免停期間中はすべての車両の運転が禁止されています。

Q7: 免停期間を無視して運転したら?

A: 無免許運転として以下の処罰を受けます:

  • 違反点数:25点(即座に免許取り消し)
  • 刑事処分:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 前科がつく

Q8: 代理人による免許返還は可能?

A: 可能です。以下が必要です:

  • 委任状
  • 代理人の身分証明書
  • 代理人の印鑑

まとめ

免停処分の重要ポイント

  1. 通知書受領後の迅速な対応が重要
  2. 出頭日の厳守(変更は事前連絡必須)
  3. 免停講習による期間短縮を活用
  4. 期間中の絶対的運転禁止の遵守
  5. 車の売却は免停期間中でも可能

免停を避けるための予防策

  • 安全運転の徹底
  • 違反点数の定期確認
  • 前歴のリセット(1年間無事故無違反)
  • 危険な違反行為の回避

車売却を検討される方へのアドバイス

免停期間中は車を使用できないため、維持費を考慮すると売却は合理的な選択です。複数の買取業者から見積もりを取り、最適な条件で売却することをお勧めします。

免停処分は人生において大きな影響を与える可能性があります。 この記事の情報を参考に、適切な手続きを行い、将来的には安全運転を心がけて再発防止に努めることが大切です。


※この記事の情報は2025年6月時点のものです。法令改正等により内容が変更される場合がありますので、最新の情報は各関係機関にご確認ください。