家計がきつい時の車手放し判断ガイド|維持費削減で年間40万円の節約効果

はじめに

物価高騰や給料の伸び悩みで家計が苦しくなった時、「車を手放すべきか」と悩む方は少なくありません。総務省の家計調査によると、2023年の自動車等維持の家計消費支出は前年比2.0%増の212,381円で、2000年以降で最大となっています。

車の維持費は年間で30万円~50万円かかるのが一般的で、家計に占める割合は決して小さくありません。しかし、単純に「お金がかかるから手放す」だけでは後悔する可能性もあります。

本記事では、家計がきつい時に車を手放すかどうかの判断基準、維持費の内訳、手放すメリット・デメリット、さらには高く売却するためのポイントまで、編集部の実体験を交えながら詳しく解説します。

この記事のポイント

  • 車の維持費は軽自動車で年間32万円、普通車で45万円程度
  • 手放すことで年間40万円以上の節約効果が期待できる
  • ただし、生活環境や使用頻度を慎重に検討する必要がある

車を手放すか迷う理由と判断基準

車を手放す主な理由

車を手放す理由として多く挙げられるのは下記の3点です:

1. ライフスタイルの変化

  • 結婚や出産による家族構成の変化
  • 引っ越しや転職・転勤による生活環境の変化
  • 子どもの自立に伴う利用機会の減少
  • 高齢者の運転免許自主返納

2. 経済的負担の増加

  • 維持費による家計圧迫
  • ガソリン代や保険料の高騰
  • 車検費用や修理費用の負担

3. 車の老朽化や故障

  • 事故や故障による修理費用の増大
  • 古い車の税金増額(13年経過で重課)
  • メンテナンス費用の増加

手放すべきかの判断基準

車を手放すかどうかは、以下の基準で判断することをおすすめします:

判断項目手放しを検討継続保有を検討
月間利用頻度週1回以下週2回以上
年間走行距離5,000km以下10,000km以上
家計に占める車関連費用収入の15%以上収入の10%以下
代替手段の有無公共交通機関が充実車以外の移動手段が限定的
駐車場代月2万円以上月1万円以下

編集部の体験談 東京都内在住の編集部メンバーは、月2回程度しか車を使わなくなったことをきっかけに愛車を売却。年間約35万円の維持費削減に成功し、必要な時だけレンタカーやカーシェアを利用することで、トータルコストを年間20万円以上削減できました。

車の維持費の詳細内訳

車種別年間維持費の比較

車の維持費は、軽自動車が32万円、小型自動車38万円、普通自動車で45万円とそれぞれ異なります。以下に詳細な内訳をまとめました。

費用項目軽自動車小型車(1.5L)普通車(2.0L)
税金
自動車税/軽自動車税10,800円30,500円36,000円
自動車重量税(年換算)3,300円7,500円10,000円
保険料
自賠責保険料(年換算)11,000円11,500円11,500円
任意保険料70,000円90,000円100,000円
燃料・メンテナンス
ガソリン代(年間1万km)80,000円76,000円85,000円
車検費用(年換算)35,000円40,000円50,000円
メンテナンス費用30,000円35,000円40,000円
駐車場代
駐車場代(月1万円想定)120,000円120,000円120,000円
年間合計360,100円410,500円452,500円

※ガソリン代はレギュラー155円/L、年間走行距離10,000kmで算出 ※駐車場代は地域により大きく異なります

維持費の詳細説明

税金関係 自動車税は車の排気量に応じて課税される地方税で、毎年4月1日時点での所有者に支払い義務があります。また、古い車(13年経過)は約15%の重課税となるため、維持費がさらに増加します。

保険料

  • 自賠責保険:法律で加入が義務付けられている強制保険
  • 任意保険:年齢、等級、車種により大きく変動

車検・メンテナンス 車検費用は軽自動車で5〜7万円、普通自動車で7〜11万円が相場となります。定期的なオイル交換、タイヤ交換、バッテリー交換なども含めると、年間3〜4万円のメンテナンス費用が必要です。

車を手放すメリット・デメリット

手放すメリット

1. 大幅な維持費削減 車を手放した場合は軽自動車やコンパクトカーで年間20万円程度、その他のボディタイプなら30万円以上の出費を抑えられるでしょう。

2. 精神的な負担軽減

  • 車検時期の心配がなくなる
  • 事故リスクからの解放
  • 駐車場探しのストレス解消

3. 環境負荷の軽減

  • CO2排出量の削減
  • 環境に配慮したライフスタイルの実現

4. 資金の有効活用 売却で得た資金を投資や貯蓄、他の必要な支出に充てることができます。

手放すデメリット

1. 移動手段の制約 車を売却した後は、車がある時に比べると、外出が多少なりとも不自由になるのは避けられないでしょう。

2. 代替手段のコスト

  • レンタカー代:1回2,000円〜
  • タクシー代:距離により変動
  • 公共交通機関の運賃

3. 急な用事への対応困難 緊急時や天候不良時の移動が制限される可能性があります。

4. 買い物や荷物運搬の不便さ 大型家電の購入や大量の買い物時に制約が生じます。

車を手放した後の代替手段

代替手段のコスト比較

手段料金目安メリットデメリット
レンタカー6時間:4,000円〜必要な時だけ利用事前予約が必要
カーシェア15分:200円〜短時間利用に便利利用可能エリアが限定的
タクシー初乗り:500円〜24時間利用可能長距離は高額
公共交通機関区間により変動定期券で割安運行時間に制約

週に3,000円分のタクシーを利用しても1ヶ月のタクシー代は1.2万円ほどです。年間では14.4万円です。車の維持費と比較すると、十分に節約効果が期待できます。

代替手段活用のコツ

編集部の実践例

  1. 日常の移動:自転車と公共交通機関を活用
  2. 買い物:ネット通販と宅配サービスを併用
  3. レジャー:月1〜2回のレンタカー利用
  4. 緊急時:タクシーやカーシェアを利用

この組み合わせで、年間の交通費を15万円程度に抑えることができています。

高く売却するためのポイント

売却タイミングの重要性

車検の更新直後に車を売却しても、車検にかかった費用ほど査定額が上がることはありません。車を手放すのであれば、車検前に売りに出した方が良いでしょう。

おすすめの売却タイミング

  • 車検満了の2〜3ヶ月前
  • 自動車税課税前(3月中)
  • モデルチェンジ前
  • 走行距離が5万km、10万kmに達する前

査定額アップの方法

1. 複数業者での査定 最低3社以上の買取業者で査定を受け、価格を比較することが重要です。

2. 車の状態を整える

  • 洗車・清掃の徹底
  • 小さな傷の修復
  • 整備記録簿の準備
  • 純正パーツの保管状況確認

3. 必要書類の準備

  • 車検証
  • 自賠責保険証明書
  • 自動車税納税証明書
  • 実印・印鑑登録証明書
  • リサイクル券

編集部の売却体験談

5年落ちのコンパクトカーを売却した際、最初の査定では80万円でしたが、3社で比較査定を行った結果、最終的に95万円で売却できました。15万円の差額は、その後1年間のレンタカー代に相当する金額でした。

手放さずに維持費を抑える方法

車を手放したくない場合の維持費削減方法もご紹介します。

保険料の見直し

見直しポイント

  • ネット系自動車保険への切り替え
  • 不要な特約の解約
  • 免責金額の設定
  • 年間走行距離による割引適用

年間2〜3万円の削減効果が期待できます。

燃費向上の工夫

実践方法

  • エコドライブの徹底
  • タイヤの空気圧管理
  • 不要な荷物の撤去
  • エアコンの効率的な使用

メンテナンス費用の削減

節約のコツ

  • 定期点検による故障予防
  • 消耗品の適切な交換時期
  • 信頼できる整備工場の選択
  • 純正品以外の選択肢検討

まとめ|後悔しない判断のために

家計がきつい時の車手放し判断は、単純な損得勘定だけでなく、生活の質や将来性も含めて総合的に検討する必要があります。

判断のポイントまとめ

検討項目手放し推奨継続保有推奨
利用頻度月4回以下週2回以上
維持費負担家計の15%以上家計の10%以下
代替手段充実している限定的
売却価格50万円以上30万円以下

最終的な判断基準

  1. 経済面:年間維持費と代替手段のコストを比較
  2. 利便性:現在の使用頻度と今後の見通し
  3. 生活の質:車がないことによるストレス度合い
  4. 将来性:数年後の生活状況の変化予測

車を手放すことで得られる経済的メリットは確実に大きいものの、生活の利便性とのバランスを慎重に検討することが重要です。まずは現在の車の査定額を調べ、具体的な数字をもとに判断することをおすすめします。

編集部からのアドバイス 迷った時は「3ヶ月間、車を使わない生活」を試してみることをおすすめします。実際に不便さを体験することで、本当に車が必要かどうかが明確になります。また、査定だけでも無料で受けられるので、まずは愛車の価値を確認してから判断しても遅くありません。

家計改善のための車手放し判断は、一時的な感情ではなく、長期的な視点での冷静な判断が成功の鍵となります。


※本記事の内容は2025年6月時点の情報に基づいています。車の維持費や税制は変更される可能性があるため、最新情報は各関係機関にご確認ください。