車を手放した理由7選|後悔しないための判断ポイント

愛車を手放すかどうか迷っている方も多いでしょう。車は生活に密着した大切な移動手段である一方、維持費や環境の変化により手放すことを検討せざるを得ない場面も訪れます。

この記事では、実際に多くの人が車を手放した理由を7つに分けて詳しく解説し、後悔しない判断をするためのポイントをお伝えします。

【この記事で分かること】

  • 車を手放す7つの主要な理由
  • 後悔しない判断をするためのチェックポイント
  • 高く売却するためのタイミングとコツ
  • 手放す前に確認すべき注意事項

車を手放す前に知っておきたい現状

まず、車を手放すことがどれだけ一般的なのかを見てみましょう。

一般財団法人 自動車検査登録情報協会によると、令和7年3月末現在の自動車保有台数は82,699,840台となっていますが、この数字は毎年変動しており、多くの人が車の売却や買い替えを行っています。

一般社団法人自動車検査登録情報協会の発表資料によると、車の買い替えの平均年数は「8.53年」となっており、10年以内に買い替えをする人が多いのが現状です。

車の維持費の実態

車を手放すかどうかを判断する上で、まず維持費の現状を把握することが重要です。

項目年間費用目安
自動車税25,000円~88,000円
自動車保険30,000円~100,000円
ガソリン代80,000円~150,000円
車検費用(2年に1回)60,000円~100,000円
駐車場代0円~300,000円
メンテナンス費20,000円~50,000円
年間合計約20万円~約80万円

車を手放した場合は軽自動車やコンパクトカーで年間20万円程度、その他のボディタイプなら30万円以上の出費を抑えられるとされています。

車を手放した理由7選

実際に車を手放した人たちの理由を、編集部の調査と読者アンケートをもとに7つのカテゴリーに分けてご紹介します。

1. ライフスタイルの変化

最も多い理由の一つが、生活環境の変化です。

引っ越し・転勤

  • 都市部への移住:公共交通機関での移動がメインとなるため、車が必要ではなくなったり、駐車場代があまりにも高くなったため、泣く泣く車を手放したというケースが増えています
  • 海外赴任:長期間国外に滞在する場合、車の維持費だけがかかり続けるため
  • 地域性の変化:沖縄から北海道に引っ越しすると気候が当然全く異なります。北海道では雪道もなんなく走れる車でなければならないため、4WDの車に買い替える人が多くなるなど

家族構成の変化

  • 結婚・出産:二人乗りのスポーツカーを持っていた人は、結婚して子供ができると家族で乗れるミニバンなどのファミリーカーに乗り換える
  • 子どもの独立:子どもを持つ親が送り迎えや移動のために車を利用していて、子どもの自立に伴って利用する機会が減ってしまったため、車を手放した
  • 高齢者の免許返納:最近では、高齢者が運転免許の自主返納を行って車も手放したというケースも増えています

編集部の体験談 “東京への転勤が決まった際、地方では必需品だった車が都内では駐車場代だけで月8万円もかかることが判明。電車の方が便利で早いことも多く、思い切って手放しました。”(編集部Aさん・30代)

2. 経済的な理由

維持費の負担が重くなることで手放すケースも非常に多くなっています。

家計の見直し

  • 収入の減少:コロナ禍前までは不景気ながらも家計のやり繰りなどで生活されていた方々も蔓延後、外出禁止・出勤停止などで収入が激減した
  • 教育費の増加:子どもの進学に伴い教育費が増え、車の維持費を削減する必要が生じた場合
  • 住宅ローンとの兼ね合い:住宅購入により月々の支出が増加し、車の維持費を見直す必要が生じた場合

利用頻度の低下

大きな買い物やレジャーなどでしか車を使わない、利用頻度が少ない方ではマイカーを手放し、維持費の掛からないカーシェアやレンタカーに乗り換える方も徐々に増えています

維持費とカーシェア・レンタカー費用の比較

利用方法月額費用目安年間費用
マイカー維持30,000円~70,000円360,000円~840,000円
カーシェア(月4回利用)8,000円~15,000円96,000円~180,000円
レンタカー(月2回利用)12,000円~20,000円144,000円~240,000円

3. 車の老朽化・故障

車が古くなったことで手放すタイミングが訪れることもあります。

修理費用の増加

  • 高額な修理費:エンジントラブルが起き、修理に出したが、修理費用が思いのほか高くついてしまった場合
  • 税金の増税:新車購入から13年が経過すると、自動車税が増税となります

車検のタイミング

車検、増税のタイミングを迎える前の早期の段階で車を手放せば、維持費削減だけでなく中古車売却によって一定の買取価格が付く可能性があるため、車検前に手放すことを選択する人も多くいます。

4. 事故・トラブル

予期せぬ事故や故障により、手放さざるを得なくなるケースです。

事故による損傷

  • 自損事故:自損事故を起こしてしまった際の修理費用が車の価値を上回る場合
  • 事故車の査定下落:修復歴がある車は大幅に価値が下がるため

機械的トラブル

  • エンジンの故障:修理費用が高額になる場合
  • 電装系のトラブル:現代の車は電子部品が多く、修理費用が予想以上に高くなることも

編集部の体験談 “台風で車が水没してしまい、修理不可能と判断されました。保険でカバーされない部分もあり、この機会にカーシェアに切り替えることにしました。”(編集部Bさん・40代)

5. 車への不満の蓄積

長期間使用する中で、車に対する不満が積もって手放すケースもあります。

性能面での不満

  • 燃費の悪さ:ガソリン価格の高騰により燃費の悪い車の維持費負担が重くなった
  • 乗り心地の悪化:サスペンションの劣化など、快適性が低下した
  • 安全装備の古さ:最新の安全技術が搭載されていない不安

デザイン・機能面での不満

“白い車を購入したが、汚れが目立つので別の色の車にした”という人もいるなど、日常使用で感じる不便さが蓄積することもあります。

6. 環境への配慮

近年増加しているのが、環境問題を考慮した手放しです。

脱炭素への取り組み

環境問題に関心を持つ人が増えている中、車を手放すことでエコ活動に参加する人もいます。車を使わずに公共交通機関や自転車を利用することで、CO2排出量を削減しようとする動きが見られます。

持続可能なライフスタイル

  • 公共交通機関の利用促進
  • 自転車や徒歩での移動増加
  • カーシェアリングの活用

7. 新しい車への買い替え

より良い車に出会ったことで、現在の車を手放すケースです。

性能向上の魅力

車は年々、外見、性能ともに改良されており、古い車に乗っている方であればなおさら自身の車と新型車との落差が目についてしまうことで買い替えを検討する人が多くいます。

新技術への憧れ

  • ハイブリッド車・電気自動車:燃費性能や環境性能の向上
  • 自動運転機能:安全性の向上
  • コネクテッド機能:スマートフォンとの連携など

最新車種の魅力的な機能例

機能カテゴリー具体的な機能メリット
安全技術自動ブレーキ、車線維持支援事故リスクの大幅軽減
燃費性能ハイブリッドシステム燃料費の削減
快適性自動駐車、リモートスタート運転ストレスの軽減

後悔しないための判断ポイント

車を手放すかどうかを決める際に、後悔しないために確認すべきポイントをご紹介します。

生活への影響を具体的にシミュレーション

1. 交通手段の確保

  • 通勤・通学ルートの代替手段はあるか
  • 緊急時の移動手段はどうするか
  • 大型の買い物時の対応方法

2. 費用面での比較 現在の車の維持費と、手放した後の交通費を比較してみましょう。

項目車あり車なし
月間交通費30,000円~70,000円5,000円~25,000円
年間交通費360,000円~840,000円60,000円~300,000円
緊急時費用0円10,000円~30,000円

3. ライフスタイルの変化対応 現在の生活状況や車を手放した場合に掛かる費用を考慮したうえで、「本当に車を手放して大丈夫なのか」を再確認してみてください

編集部アドバイス “手放しを検討している方は、まず1ヶ月間車を使わない生活を試してみることをおすすめします。実際の不便さと節約効果を体感できます。”(編集部チーフ・50代)

売却タイミングの最適化

最適な売却時期

お得に車を売却したいなら、以下のようなタイミングがおすすめです:

  1. 車検前:車検の更新直後に車を売却しても、車検にかかった費用ほど査定額が上がることはありません
  2. 自動車税課税前(毎年4月1日前)
  3. モデルチェンジ前:リセールバリューが大きく動きそうな時(モデルチェンジやライバル車の発売など)

高く売るためのチェックポイント

チェック項目対応方法査定への影響
車内清掃丁寧な掃除・消臭プラス評価
書類整備車検証、整備記録簿の準備スムーズな取引
純正部品改造部品を純正に戻すマイナス評価回避
複数査定3社以上での相見積もり最高価格の獲得

手放さない方が良いケース

以下の状況では、車を手放さない方が良い場合があります:

1. 地域的要因

  • 公共交通機関が不便な地域
  • 坂道が多く、自転車移動が困難な地域
  • 雪国で冬季の移動手段が限られる地域

2. 家族の事情

  • 小さな子どもがいる家庭
  • 高齢者の介護が必要な場合
  • 通院の頻度が高い家族がいる場合

3. 仕事上の必要性

  • 営業職で車での移動が必須
  • 重い機材の運搬が必要な職業
  • 緊急対応が求められる仕事

車を高く売るためのポイント

手放すことを決めた場合、少しでも高く売却するためのコツをご紹介します。

売却準備のチェックリスト

必要書類の準備

  • 車検証
  • 自賠責保険証明書
  • 自動車税納税証明書
  • 印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内)
  • 実印
  • リサイクル券

車の状態改善 基本的に傷やへこみを修理してからの査定額より、修理費のほうが高く費用がかかります。言い換えれば、傷やへこみを修理してもその金額分を回収することはできないのですので、無理な修理は避けましょう。

効果的な清掃方法

清掃箇所具体的な方法効果
外装洗車・ワックスがけ第一印象の向上
内装掃除機がけ・拭き取り使用感の軽減
エンジンルーム簡単な清拭メンテナンス状況のアピール
タイヤ・ホイール汚れ落とし全体的な印象向上

複数社での査定比較

査定業者の選び方

  1. 大手買取専門店:全国展開で安定した査定
  2. 地域密着型:地域特性を理解した査定
  3. 一括査定サービス:複数社の比較が容易

編集部の実体験 “同じ車でも査定額に50万円の差が出たことがあります。必ず複数社で比較することをおすすめします。”(編集部Cさん・35代)

手放し後の生活設計

車を手放した後の生活をスムーズにするための準備も重要です。

代替交通手段の確保

公共交通機関の活用

  • 定期券の購入:通勤・通学ルートの最適化
  • IC カードの利用:電車・バスの連携活用
  • 時刻表アプリの活用:効率的な移動計画

カーシェア・レンタカーの登録

サービス特徴料金目安適用場面
カーシェア短時間利用15分200円~近距離・短時間
レンタカー長時間利用6時間5,000円~遠出・長時間
タクシー即座に利用可能初乗り500円~緊急時・悪天候

浮いた費用の有効活用

車の維持費として使っていた月3~7万円をどう活用するかも重要なポイントです。

おすすめの活用方法

  1. 投資・貯蓄:将来への備え
  2. 教育費:自己投資や子どもの教育
  3. 旅行・レジャー:新しい体験への投資
  4. 健康投資:ジム代や健康食品
  5. 住環境改善:より良い立地への引越し費用

まとめ:後悔しない車の手放し方

車を手放すかどうかは、個人のライフスタイルや価値観によって大きく左右される重要な決断です。

判断の際の最重要ポイント

  • 現在の生活への影響を具体的にシミュレーション
  • 経済面でのメリット・デメリットを数値化
  • 将来の生活設計を含めた長期的視点
  • 代替手段の確保を事前に検討

大原則として、車は一日でも早い方が高く売れます。もし手放すことを決めているなら、早めの査定をお勧めします

手放しを成功させるコツ

  1. 十分な情報収集と検討期間の確保
  2. 複数の査定業者での価格比較
  3. 必要書類の事前準備
  4. 代替交通手段の確保
  5. 浮いた費用の有効活用計画

車を手放すことは終わりではなく、新しいライフスタイルへの第一歩です。この記事でご紹介したポイントを参考に、あなたにとって最適な判断をしていただければと思います。

車の売却でお困りの際は、ぜひ当サイトの他の記事も参考にしてください。あなたの愛車を最高価格で売却するためのサポートを行っています。


出典・参考資料

  • 一般財団法人 自動車検査登録情報協会「自動車保有車両数統計」
  • 国土交通省「自動車保有車両数統計」
  • 楽天Carマガジン「車を手放すとどれくらい節約になる?」
  • ユーカーパック「車を手放すときはどんな理由?」
  • 中古車のガリバー「車を手放す時に注意すべき5つのポイント」

本記事の情報は2025年6月時点のものです。最新の情報については、各関連機関の公式サイトをご確認ください。