法人名義の車を売却する際の必要書類完全ガイド|準備から手続きまで

法人名義の車を売却しようと考えているけど、「どんな書類が必要なの?」「個人の売却とは何が違うの?」と悩んでいませんか?

実は、法人名義の車売却は個人売却とは必要書類や手続きが異なる部分があり、事前にしっかりと準備をしておかないと、思わぬところで時間がかかってしまうことがあります。

でも、ご安心ください。本記事では、法人名義の車を売却する際に必要な書類から手続きの流れ、さらには高く売るためのコツまで、わかりやすく解説していきます。

1. 法人名義の車売却で必要な9つの書類

法人名義の車を売却する際には、以下の9つの書類が必要になります。一つでも不足していると手続きが進められないので、事前にチェックしておきましょう。

必要書類一覧表

書類名取得場所有効期限再発行可否
自動車検査証(車検証)車内保管なし可能
自賠責保険証明書車内保管保険期限まで可能
法人実印(代表者印)法人保管なし要改印届
法人の印鑑証明書法務局発行後3ヶ月可能
自動車税納税証明書税事務所なし可能
リサイクル券車内保管なしWEB印刷可
委任状買取業者なし
譲渡証明書買取業者なし
履歴事項全部証明書法務局発行後3ヶ月可能

各書類の詳細説明

1. 自動車検査証(車検証)

車の基本情報が記載された重要書類です。通常はダッシュボードに保管されています。所有者欄が法人名義になっていることを確認しましょう。

編集部体験談

「私たちの会社でも、車検証をダッシュボードに入れっぱなしにしていたら、夏の高温で劣化してしまったことがありました。定期的に確認することをおすすめします」

2. 自賠責保険証明書

強制保険の証明書で、車検証と一緒に保管されていることが多いです。

3. 法人実印(代表者印)

法務局に登録している法人の実印です。小規模企業では使用頻度が低いため、保管場所を忘れがちなので要注意!

4. 法人の印鑑証明書

発行後3ヶ月以内のものが必要です。法務局で取得できますが、オンライン申請も可能です。

取得方法の比較表

申請方法手数料所要時間メリット
窓口申請450円即日その場で受取可能
オンライン申請(窓口受取)390円申請後窓口へ手数料が安い
オンライン申請(郵送)410円3-5日来庁不要

5. 自動車税納税証明書

現在はオンラインで確認できるため車検では不要ですが、売却時には提示を求められることがあります。

6. リサイクル券

新車購入時に発行される書類です。紛失した場合は、自動車リサイクルシステムのサイトから代替書類を印刷できます。

7. 委任状

名義変更手続きを買取業者に代行してもらうための書類です。通常は買取業者が用意してくれます。

8. 譲渡証明書

車の所有権が移転したことを証明する書類です。こちらも買取業者が準備することが一般的です。

9. 履歴事項全部証明書

車検証の情報と現在の会社情報が異なる場合のみ必要です。会社名、住所、代表者のいずれかが変更されている場合に提出します。

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2. 個人売却との違いをチェック

法人名義の車売却と個人売却では、主に以下の点が異なります。

必要書類の違い

項目法人名義個人名義
実印法人実印(代表者印)個人の実印
印鑑証明書法人の印鑑証明書個人の印鑑証明書
追加書類履歴事項全部証明書(該当時)住民票(該当時)
取得場所法務局市区町村役場

税金の扱いの違い

  • 法人:売却益が出た場合は「法人税」の対象
  • 個人:売却益が出た場合は「所得税」の対象(ただし50万円の特別控除あり)

編集部からのアドバイス

「法人の場合、減価償却期間が終わっていても売却価格がつけば法人税の対象になります。私たちの顧問税理士によると、6年落ちの車でも数十万円で売れることが多いので、税務処理は慎重に行いましょう」

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3. 書類の準備方法と再発行の手順

書類を紛失してしまった場合でも、ほとんどの書類は再発行が可能です。以下、主要な書類の再発行方法をご紹介します。

車検証の再発行

必要なもの

  • 法人印
  • 本人確認書類
  • 理由書(紛失の経緯を記載)
  • 手数料:300円

申請場所

  • 普通自動車:管轄の運輸支局
  • 軽自動車:管轄の軽自動車検査協会

自賠責保険証明書の再発行

手順

  1. 加入している保険会社に連絡
  2. 法人印と本人確認書類を準備
  3. 再発行申請(無料)

ポイント 契約した保険会社が不明な場合は、車を購入した販売店に問い合わせましょう。

法人実印を紛失した場合

改印手続きの流れ

  1. 法務局で改印届書を入手(HPからダウンロード可)
  2. 新しい印鑑を準備
  3. 代表者個人の印鑑証明書を取得
  4. 法務局に提出

履歴事項全部証明書の取得方法

オンライン申請の手順

  1. 登記・供託オンライン申請システムにアクセス
  2. 申請者情報を登録
  3. 必要事項を入力して申請
  4. 手数料を支払い(クレジットカード可)
  5. 窓口受取または郵送を選択

編集部おすすめ

「急ぎの場合は窓口申請がおすすめですが、時間に余裕があればオンライン申請の方が手数料が安くなります。私たちは通常2枚取得して、1枚は予備として保管しています」

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4. 売却時の会計処理と税金

法人名義の車を売却する際は、適切な会計処理が必要です。ここでは基本的な仕訳方法と税金について解説します。

車両売却時の基本的な考え方

法人の車は「車両運搬具」という固定資産として扱われます。売却時には以下の勘定科目を使用します。

  • 売却益が出た場合:固定資産売却益
  • 売却損が出た場合:固定資産売却損

減価償却の基礎知識

法定耐用年数

  • 普通自動車(新車):6年
  • 軽自動車(新車):4年

減価償却の計算例 200万円で購入した普通自動車を4年後に売却する場合(定率法・償却率0.333)

1年目:200万円 × 0.333 = 66.6万円
2年目:133.4万円 × 0.333 = 44.4万円
3年目:89万円 × 0.333 = 29.6万円
4年目:59.4万円 × 0.333 = 19.8万円

4年後の帳簿価額:39.6万円

仕訳例

売却益が出た場合の仕訳(簡易版)

車両の帳簿価額:50万円、売却価格:80万円、リサイクル預託金:2万円の場合

借方金額貸方金額
現預金82万円車両運搬具50万円
預託金2万円
固定資産売却益30万円

税金の取り扱い

法人税について

  • 売却益が出た場合、法人税の課税対象
  • 6年以上使用した車でも売却価格がつけば課税対象

消費税について

  • 課税事業者の場合、売却額に対して消費税が発生
  • 売却損が出ても買取価格がつけば消費税の対象

編集部からの重要アドバイス

「法人の車売却は税務処理が複雑です。私たちも最初は戸惑いましたが、必ず税理士に相談することをおすすめします。特に決算期をまたぐ売却は要注意です」

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5. 法人車を高く売る5つのポイント

せっかく売却するなら、少しでも高く売りたいですよね。ここでは法人車を高く売るための実践的なコツをご紹介します。

1. 売却時期を見極める

高く売れる時期

  • 1〜3月:決算期前で需要が高まる
  • 9〜10月:半期決算前で中古車市場が活発

避けるべき時期

  • 4月:自動車税の課税時期
  • 年末年始:市場が停滞しやすい

2. 車の状態を整える

査定前のチェックリスト

  • [ ] 外装の洗車・ワックスがけ
  • [ ] 内装の掃除機かけ
  • [ ] 脱臭剤での消臭
  • [ ] 不要な荷物の撤去
  • [ ] 整備記録簿の準備

編集部の実体験

「弊社の営業車を売却した際、徹底的に清掃したところ、査定額が5万円アップしました。特にタバコの臭いは大幅減額の原因になるので要注意です」

3. 複数の買取業者で査定を受ける

一括査定のメリット

  • 最大10社の査定額を比較できる
  • 競争原理で査定額アップが期待できる
  • 法人車買取に強い業者が見つかる

4. 査定士とのコミュニケーション

高評価を得るための話し方

  • 売却の本気度を伝える
  • 希望価格を正直に伝える
  • 売却理由を明確に説明
  • 必要書類を持参してアピール

5. 車両管理の徹底

日頃からできること

  • 定期的なメンテナンス記録の保管
  • 車両管理規定の策定と遵守
  • 事故・修理歴の正確な記録

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6. よくある質問と注意点

Q1. リース車は売却できますか?

A. リース契約中の車は、リース会社の所有物なので売却できません。ただし、リース期間満了後に買取オプションがある場合は、買い取ってから売却可能です。

Q2. 委任状の捨印は押しても大丈夫?

A. 委任状の捨印は、氏名と住所の訂正にのみ使用されます。申請内容を勝手に変更されることはないので、安心して押印できます。

Q3. 車検証と会社情報が違う場合は?

A. 履歴事項全部証明書の提出が必要です。会社名、住所、代表者のいずれかが変更されている場合は、必ず準備しましょう。

Q4. 減価償却中でも売却できる?

A. はい、減価償却期間中でも問題なく売却できます。ただし、売却による損益は適切に会計処理する必要があります。

Q5. 社長個人に売却する場合の注意点は?

A. 時価での売却が必要です。不当に安い価格で売却すると、税務上の問題が生じる可能性があります。

売却時の注意点まとめ

書類関連

  • 印鑑証明書は3ヶ月以内のものを準備
  • 履歴事項全部証明書は変更がある場合のみ
  • 委任状・譲渡証明書は買取業者が用意

税務関連

  • 売却益は法人税の対象
  • 消費税も忘れずに処理
  • 決算期をまたぐ場合は要注意

手続き関連

  • 法人実印の所在を事前確認
  • 必要書類は余裕を持って準備
  • 買取業者は法人車に慣れた業者を選ぶ

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7. まとめ

法人名義の車を売却する際は、個人売却とは異なる書類や手続きが必要ですが、事前にしっかりと準備をすれば、スムーズに進めることができます。

売却成功のための3つのポイント

  1. 必要書類を早めに準備
    • 特に印鑑証明書や履歴事項全部証明書は有効期限があるので注意
  2. 適切な会計処理と税務対策
    • 売却益が出る場合は法人税の対象になることを忘れずに
  3. 信頼できる買取業者の選定
    • 法人車買取の実績が豊富な業者を選ぶことで安心

法人車の売却は、確かに個人売却より複雑な面もありますが、この記事でご紹介した内容を参考にしていただければ、きっとスムーズに売却できるはずです。

売却を検討されている方は、まずは必要書類のチェックから始めてみてはいかがでしょうか。準備万端で臨めば、思った以上に高値での売却も夢ではありません。

編集部より最後に

「私たちも何度か法人車を売却してきましたが、最初は本当に大変でした。でも、一度経験すれば次からはスムーズに進められます。この記事が皆様の車売却のお役に立てれば幸いです。良い売却ができることを心よりお祈りしています!」


※本記事の情報は2025年7月時点のものです。法令や制度は変更される可能性がありますので、最新情報は各機関にご確認ください。