長年愛用してきた車の走行距離が10万キロを超えてしまった…。「もう価値がないのでは?」と諦めていませんか?
実は、過走行車でも適切な方法で売却すれば、想像以上の買取価格がつくことがあります。本記事では、過走行車の買取相場の実態と、少しでも高く売却するための具体的なポイントを、編集部の実体験を交えながら詳しく解説します。
過走行車とは?買取における定義と基準 {#過走行車とは}
過走行車という言葉に明確な法的定義はありませんが、中古車業界では以下の基準で判断されることが一般的です。
過走行車の2つの基準
基準タイプ | 具体的な数値 | 詳細説明 |
---|---|---|
総走行距離基準 | 10万km以上 | 車の総走行距離が10万kmを超えた場合 |
年間走行距離基準 | 年間1万km以上 | 1年あたりの走行距離が1万kmを超えるペース |
例えば、5年落ちの車で走行距離が7万kmの場合、年間走行距離が1.4万kmとなるため過走行車として扱われます。
編集部の体験談
私自身、通勤で毎日高速道路を使用していた時期があり、3年で走行距離が5万kmを超えてしまいました。年間走行距離は約1.7万kmという計算になり、典型的な過走行車でした。
【2025年最新】過走行車の買取相場の実態 {#買取相場の実態}
2025年3月の中古車買取相場レポートによると、車買取相場は大きく上昇し、春先の需要期に向けて過去5年間で最も高い水準となっています。これは過走行車にとっても追い風となっています。
走行距離別の買取相場下落率
走行距離 | 買取相場の下落率(目安) | 備考 |
---|---|---|
5万km未満 | 基準価格 | 標準的な中古車 |
5万km~10万km | -20~30% | 多走行車として評価 |
10万km~15万km | -40~60% | 過走行車として大幅減額 |
15万km~20万km | -60~80% | 買取困難な場合も |
20万km以上 | -80%以上 | 廃車買取業者推奨 |
車種別の過走行車買取傾向
高額買取が期待できる車種
- ハイエース:10万キロに達していても、200万円以上の高値がつくことが多い
- ランドクルーザー:海外需要が高く、過走行でも高値維持
- プリウス:ハイブリッド車は部品価値も高い
- 商用車全般:業務用途では過走行が前提のため評価が下がりにくい
買取価格が下がりやすい車種
- セダン:新車価格が低めで、過走行による減額影響大
- 軽自動車:耐久性の懸念から大幅減額される傾向
- 輸入車:部品調達コストを考慮し査定額低下
過走行車でも買取可能な3つの理由 {#買取可能な理由}
「走行距離20万kmを超えているから買取は無理」と諦める必要はありません。以下の3つの理由から、過走行車でも買取は十分可能です。
1. 海外市場での高い需要
国内で中古車販売する場合、過走行車だと売れにくいため査定額が大きく落ちてしまいます。しかし、海外市場では日本車の信頼性が高く評価されており、走行距離を気にしない地域も多いのが実情です。
特に東南アジアやアフリカ、中東などでは:
- 日本車の耐久性への信頼が厚い
- 走行距離よりも価格重視の傾向
- 部品取り車としての需要も高い
2. 部品・パーツとしての価値
過走行車、事故車、長年放置のボロボロ車であっても、車には0円以上の価値が眠っています。それは車の製造過程において使用されている素材が限られている資源であり、鉄や非鉄金属などを多く含んでいるためです。
具体的には:
- エンジン、トランスミッションなどの主要部品
- 触媒(レアメタル含有)
- エアバッグなどの安全装備
- 純正ナビやオーディオシステム
3. 資源としての価値
鉄くずとしてならどんなにボロボロであっても、1台につき3~5万円程度の金額がつけられます。さらにハイブリッドカーの場合は、バッテリー部分に価値の高いレアメタルが使用されているためプラスで値をつけてもらえるのです。
過走行車の買取価格が下がる4つの要因 {#価格が下がる要因}
過走行車の査定額が低くなる主な理由を理解しておくことで、対策を立てることができます。
1. 中古車市場での需要低下
走行距離が10万kmを超えたり、新車登録から10年が経過したりした場合、買取価格が急落する傾向にあります。これは消費者心理として「壊れやすい」というイメージが強いためです。
2. 部品の劣化・故障リスク
走行距離10万km前後で交換が推奨される主要部品:
- タイミングベルト(ゴム製の場合)
- ウォーターポンプ
- ラジエーター
- イグニッションコイル
- ショックアブソーバー
- ブレーキ関連部品
これらの交換費用を見込んで、査定額が減額されます。
3. 再販売の困難性
過走行車は再販しにくいというデメリットが業者側にあります。走行距離が短く、製造から年月が余り経っていない車の方が需要が高いため、在庫リスクを考慮した価格設定となります。
4. 部品供給の問題
トヨタの場合、車の生産終了から10年までしか部品の供給はありません。低年式の過走行車は、修理に必要な純正部品が入手困難になるリスクがあります。
高額買取を実現する7つのポイント {#高額買取のポイント}
過走行車でも、以下のポイントを押さえることで買取価格アップが期待できます。
1. 複数業者での相見積もりは必須
1社に絞って見積もりを依頼すると、妥当な買取価格の目安が分かりにくいでしょう。市場価値を下回っている可能性もあるため、最低でも3社以上の査定を受けることをおすすめします。
編集部の実体験: 15万km走行のプリウスを売却した際、A社は15万円、B社は8万円、C社は22万円と、14万円もの差がありました。
2. 整備記録簿の準備
定期的なメンテナンスの証明となる整備記録簿は、過走行車の価値を大きく左右します。特に以下の記録が重要:
- 法定点検の記録
- オイル交換履歴
- 主要部品の交換時期
- リコール対応の記録
3. 車内外の清掃・整備
査定前の準備として:
- 外装:洗車、ワックスがけ、小傷の補修
- 内装:掃除機がけ、シート清掃、消臭
- エンジンルーム:ホコリや汚れの除去
第一印象が査定額に与える影響は想像以上に大きいです。
4. 純正部品・付属品の確認
以下のアイテムがあれば必ず準備:
- スペアキー
- 取扱説明書
- 純正部品(社外品に交換している場合)
- 純正ナビのリモコン
- ETCカードの取り外し
5. 売却タイミングの見極め
この相場上昇の背景には、主に3つの要因が関係しています。2025年現在、円安傾向による海外需要の高まりで、過走行車でも高値で売れやすい状況です。
狙い目の時期:
- 1~3月:年度末の需要期
- 9月:半期決算期
- ボーナス時期前後
6. 廃車買取業者も視野に
廃車買取専門業者に過走行車を売るとお得な3つの理由があります:
- どんな状態でも0円以上で買取
- 引取費用・廃車手続き費用が無料
- 海外輸出ルートによる高額査定の可能性
7. 交渉時の心構え
- 即決は避け、一度持ち帰って検討
- 他社の査定額を正直に伝える
- 希望額を明確に伝える
- 感情的にならず、冷静に対応
おすすめの買取業者タイプと選び方 {#買取業者の選び方}
過走行車の売却先として、主に以下の3つのタイプがあります。
買取業者タイプ別比較表
業者タイプ | メリット | デメリット | おすすめ度 |
---|---|---|---|
ディーラー | 信頼性が高い<br>新車購入時の値引き交渉材料 | 査定基準が厳しい<br>廃車費用が発生する場合も | ★★☆☆☆ |
中古車買取店 | 幅広い車種に対応<br>競争による高額査定の可能性 | 過走行車は低評価になりやすい | ★★★☆☆ |
廃車買取専門店 | どんな状態でも買取可<br>手続き費用無料<br>海外輸出ルート保有 | 一般的な中古車は専門外 | ★★★★★ |
業者選びのポイント
- 販路の豊富さ:海外輸出、部品販売など多様な販路を持つ業者
- 専門性:過走行車や廃車の取扱実績が豊富
- 透明性:査定基準や買取後の流れを明確に説明
- 口コミ・評判:実際の利用者の声を確認
必要書類と売却手続きの流れ {#必要書類と手続き}
過走行車の売却に必要な書類は、通常の中古車売却と同じです。
必要書類チェックリスト
普通車の場合
- [ ] 車検証(自動車検査証)
- [ ] 自賠責保険証明書
- [ ] 自動車税納税証明書
- [ ] 印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内)
- [ ] 実印
- [ ] リサイクル券
軽自動車の場合
- [ ] 車検証(自動車検査証)
- [ ] 自賠責保険証明書
- [ ] 軽自動車税納税証明書
- [ ] 認印(実印不要)
- [ ] リサイクル券
売却手続きの流れ
- 査定申込み(オンライン・電話)
- 実車査定(出張査定も可)
- 査定額の提示・交渉
- 売買契約の締結
- 必要書類の準備・提出
- 車両の引き渡し
- 入金確認(通常3~7営業日)
書類紛失時の対処法
車検証が必要だからといって「車検が切れた車は売却できない」という訳ではありません。車検切れのまま売却することは可能です。各書類の再発行方法:
- 車検証:運輸支局で再発行(手数料300円程度)
- 自賠責保険証:加入保険会社に連絡
- 納税証明書:都道府県税事務所・市区町村窓口
- リサイクル券:自動車リサイクルシステムのサイトで確認・印刷
過走行車売却時の注意点とトラブル回避策 {#注意点とトラブル回避}
国民生活センターによると、車の売却に関する相談が年間7000件以上あるそうです。トラブルを避けるため、以下の点に注意しましょう。
よくあるトラブル事例と対策
1. 契約後の減額要求
- 対策:契約書の内容を詳細に確認
- 「瑕疵担保責任」条項の有無をチェック
2. キャンセル料の請求
- 対策:クーリングオフは適用外
- 契約前に十分検討し、安易な契約は避ける
3. 入金の遅延・未払い
- 対策:JPUC加盟店など信頼できる業者を選択
- 入金予定日を書面で確認
4. 個人情報の不正利用
- 対策:プライバシーマークを取得している業者を選ぶ
- 不要なDMは拒否する旨を伝える
安全な取引のためのチェックポイント
- [ ] 買取業者の会社概要・実績を確認
- [ ] 契約書の内容を隅々まで確認
- [ ] 査定額の内訳を明確にしてもらう
- [ ] 不明な点は納得するまで質問
- [ ] 即決は避け、一度持ち帰って検討
よくある質問(FAQ) {#よくある質問}
Q1. 走行距離30万kmでも買取してもらえますか?
A. 走行離が20万kmを超えた車でも、買取をすることが可能です。また、たとえ再販が難しい車でも、鉄やパーツとしての資源価値があるため、0円以上の査定がつくことは珍しくありません。廃車買取専門業者なら確実に買取可能です。
Q2. 車検切れの過走行車は売却できますか?
A. 車検切れでも売却は可能です。ただし、公道を走行できないため、買取業者の出張査定サービスを利用しましょう。多くの業者が無料で対応しています。
Q3. 事故歴がある過走行車の買取は?
A. 事故歴(修復歴)がある過走行車でも買取は可能ですが、査定額はさらに下がります。事故の程度や修理の質によって評価が変わるため、正直に申告することが重要です。
Q4. ローンが残っている過走行車は売却できる?
A. ローン残債がある場合でも売却は可能ですが、以下の条件があります:
- 買取額がローン残債を上回る場合:差額が手元に残る
- 買取額がローン残債を下回る場合:不足分を一括返済する必要がある
Q5. 過走行車を高く売るベストなタイミングは?
A. 一般的に以下のタイミングがおすすめです:
- 大きな故障が発生する前
- 車検が残っている時期
- 自動車税の課税前(3月まで)
- 買取相場が上昇している時期
まとめ:過走行車でも諦めずに査定を {#まとめ}
過走行車だからといって、買取を諦める必要はありません。本記事で紹介したポイントを押さえれば、想像以上の買取価格を実現できる可能性があります。
成功のための3つの鉄則
- 複数業者で査定を受けて相場を把握
- 廃車買取業者も選択肢に入れる
- 焦らず冷静に交渉を進める
編集部の経験から言えることは、「過走行車=価値なし」という固定観念を捨てることが第一歩だということです。15万km走行した私の愛車も、結果的に予想の3倍以上の価格で売却できました。
あなたの愛車にも、まだ知らない価値が眠っているかもしれません。まずは無料査定から始めてみてはいかがでしょうか。
【編集部より】 本記事は2025年7月時点の情報を基に作成しています。買取相場は日々変動するため、実際の査定額とは異なる場合があります。最新の情報は各買取業者にお問い合わせください。