自動車税未納でも車は売却できる?査定額への影響と対処法を徹底解説

車の売却を検討しているけれど、自動車税が未納のまま…そんな状況でお困りではありませんか?

「自動車税を払い忘れてしまった」「経済的な事情で納付が難しい」など、様々な理由で自動車税が未納になってしまうケースがあります。

結論から申し上げると、自動車税が未納でも、買取ってくれる業者を見つけることができれば、売却することが可能です。しかし、原則として自動車税を滞納したままでは、車の売却はできません。

本記事では、自動車税未納での車売却について、編集部が徹底的に調査した最新情報をもとに、査定額への影響や具体的な対処法を詳しく解説していきます。

  1. 1. 自動車税未納でも車売却は可能?基本的なルールを理解しよう
    1. 自動車税とは?基本情報をおさらい
    2. 未納と滞納の違いを理解しよう
  2. 2. なぜ自動車税未納だと売却が難しいのか?3つの理由
    1. 理由1:名義変更ができない
    2. 理由2:車検が受けられない
    3. 理由3:買取業者のリスク回避
  3. <a id=”section3″></a>3. 自動車税を滞納し続けるとどうなる?知っておくべきリスク
    1. 延滞金が発生する
    2. 督促状から差し押さえまでの流れ
  4. 4. 未納でも買取可能な業者は存在する!その実態とは
    1. 未納車買取に対応する業者の特徴
    2. 業者を探す方法
  5. 5. 査定額への影響は?未納による減額の実態
    1. 具体的な減額幅
    2. 交渉力の低下
  6. 6. 自動車税未納車を売却する3つの方法
    1. 方法1:自動車税を納付してから売却する【推奨】
    2. 方法2:分割納付制度を利用する
    3. 方法3:未納のまま買取業者を探す
  7. 7. 編集部がおすすめする対処法
    1. ステップ1:まず税事務所に相談
    2. ステップ2:オンライン査定を活用
    3. ステップ3:複数業者で比較検討
  8. 8. よくある質問と回答
    1. Q1. 軽自動車の場合も同じですか?
    2. Q2. 車検切れで自動車税も未納の場合は?
    3. Q3. 4月に売却する場合の自動車税の扱いは?
    4. Q4. 納税証明書を紛失した場合は?
    5. Q5. 個人売買の場合はどうなりますか?
  9. <a id=”section9″></a>9. まとめ:賢い選択で損をしない売却を
    1. 覚えておくべき3つのポイント
    2. 編集部からの最終アドバイス
  10. 関連記事のご紹介

1. 自動車税未納でも車売却は可能?基本的なルールを理解しよう

自動車税とは?基本情報をおさらい

自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点でその車を所有している方(または法人)に課せられる税金です。納付期限は原則として5月31日までとなっています。

自動車税の税額(自家用乗用車・2019年10月1日以降新車登録)

排気量税額(年額)
1,000cc以下25,000円
1,000cc超~1,500cc以下30,500円
1,500cc超~2,000cc以下36,000円
2,000cc超~2,500cc以下43,500円
2,500cc超~3,000cc以下50,000円
3,000cc超~3,500cc以下57,000円
3,500cc超~4,000cc以下65,500円
4,000cc超~4,500cc以下75,500円
4,500cc超~6,000cc以下87,000円
6,000cc超110,000円

未納と滞納の違いを理解しよう

納付期限内であれば「未納」として扱われ、5月31日(一部地域を除く)までに納付すれば特に問題ありません。一方、納付期限が過ぎても支払いがされていない場合は「滞納」となります。


2. なぜ自動車税未納だと売却が難しいのか?3つの理由

理由1:名義変更ができない

車の売却時に所有者の名義変更を行いますが、この時に自動車税の納税証明書が必要になります。そのため、未納のままだと名義変更ができず、車を売却できないのです。

理由2:車検が受けられない

自動車税を納めると「自動車税納付証明書」が交付されるのですが、車検を受けるためにはこの「自動車税納付証明書」の提出が必要になります。そのため、自動車税を滞納している状態では車検を受けることができません。

理由3:買取業者のリスク回避

自動車税を支払っていない車を業者が買い取る場合、業者が代わりに自動車税を支払います。これは業者にとって大きなリスクとなるため、多くの業者が未納車の買取を避ける傾向にあります。


<a id=”section3″></a>3. 自動車税を滞納し続けるとどうなる?知っておくべきリスク

延滞金が発生する

自動車税の納付期限を過ぎた場合には滞金が発生すると定められており、延滞金は未納分の税額に対して日割りで「0.021%」の割合で加算されます。

2024年の延滞金率は以下の通りです:

  • 納付期限の翌日から1カ月以内に納付すれば年率2.4%、1カ月以上経過した部分には年率8.7%相当分がかかります

延滞金の計算例

編集部で実際に計算してみました。例えば、排気量2,000ccの車(自動車税36,000円)を60日間滞納した場合:

  • 最初の30日間:36,000円×30日×2.4%÷365日=約71円
  • 31日目から60日目:36,000円×30日×8.7%÷365日=約257円
  • 合計:約328円(1,000円未満のため延滞金は発生しない)

ただし、延滞金が1,000円を超えるのは、納付期限を過ぎてから120日後です。

督促状から差し押さえまでの流れ

  1. 督促状の送付(納期限から約20日後) 未納が続くと、国から督促状や催告状が送られてきて、それでも支払わない場合は差し押さえ通知書が届きます
  2. 催告書の送付(督促状無視後) より強い文面で支払いを求められます
  3. 差し押さえ通知書(最終通告) 差し押さえ通知書が届いた後も未納のままだと、最終的に現金や預貯金、不動産や車などの財産を差し押さえられます
  4. 財産の差し押さえ 銀行口座の差し押さえでは、滞納している税額(延滞金を含む)に相当する金額が口座から引き落とされます

4. 未納でも買取可能な業者は存在する!その実態とは

未納車買取に対応する業者の特徴

買収してくれる業者は少ないため、探すのに時間がかかったり、契約内容をしっかり確認しておかないと査定額がかなり下がったりするなど、労力がかかるので注意しましょう。

編集部の調査によると、未納車の買取に応じる業者には以下のような特徴があります:

  1. 廃車専門業者
    • 部品取りや海外輸出を主な目的としている
    • 車検の有無を問わない場合が多い
  2. 地域密着型の中小業者
    • 大手より柔軟な対応が可能
    • ただし、査定額は期待できない
  3. 特殊車両専門店
    • 旧車やプレミアカーなど希少価値の高い車を扱う
    • 車の価値が高ければ未納分を考慮しても利益が出る

業者を探す方法

そういった業者を見つけるには、インターネットで検索するか、電話やメールで問い合わせて調べるしかありません。

編集部がおすすめする探し方:

  • インターネットで「自動車税未納 買取」などで検索
  • 複数の買取業者に直接問い合わせ
  • 一括査定サイトの備考欄に未納の旨を記載

5. 査定額への影響は?未納による減額の実態

具体的な減額幅

その際に、未納分や遅延金に加えて、代わりに支払うという手間に対しての手数料を業者が要求してくるため、査定額からその分が差し引かれます。

具体的には、名義変更手続きや車検取得に時間がかかるため、その分のコストが1万円~2万円程度上乗せされることも少なくありません。

査定額への影響例

項目金額
未納の自動車税-36,000円
延滞金-1,000円~
手続き手数料-10,000円~20,000円
合計減額-47,000円~57,000円以上

交渉力の低下

未納状態で買取に応じてくれる業者と交渉する際は、あまり高望みしないようにしましょう。そもそも未納状態で買取に応じてくれる業者は少ないため、交渉力が弱くなり、未納分や延滞金を差し引かれることも考えられます。そのため、高確率で市場価格よりも査定額が安くなります。

編集部の体験談:

「私たちが実際に未納車の買取相談をしたところ、通常の査定額から約20%も低い金額を提示されました。これは未納分と手数料を差し引いても説明がつかない減額でした」(編集部スタッフA)


6. 自動車税未納車を売却する3つの方法

方法1:自動車税を納付してから売却する【推奨】

自動車税を支払ってから車を売却するのが、最も賢明な選択です。まず、税事務所に連絡し、未納分の自動車税を確認しましょう。支払い方法は、金融機関での現金納付やクレジットカード決済など、複数の選択肢があります。

メリット

  • 通常の査定額で売却可能
  • 複数業者での相見積もりが可能
  • トラブルのリスクが低い

デメリット

  • 一時的な出費が必要
  • 納税証明書の発行に時間がかかる場合がある

方法2:分割納付制度を利用する

自動車税未納分の支払いが難しい場合、分割払いで解決する道があります。まず、住んでいる地域の税事務所に連絡し、分割納付の申請を行いましょう。

編集部からのアドバイス:

「病気や失業など、やむを得ない事情がある場合は、税事務所が相談に乗ってくれます。恥ずかしがらずに、まずは連絡してみることが大切です」

方法3:未納のまま買取業者を探す

どうしても納税が難しい場合の最終手段です。ただし、前述の通りデメリットが多いことを理解した上で選択してください。

注意点

  • 未納で車を買い取ってくれる業者を見つけて下取りに出す際は、未納分の自動車税の支払いが誰に発生するのか、必ず契約書を確認してください
  • 査定額が大幅に下がることを覚悟する
  • 契約内容を細かく確認する

7. 編集部がおすすめする対処法

ステップ1:まず税事務所に相談

経済的に困難な場合でも、まずは税事務所に相談することをおすすめします。自然災害や経済状況の変化など、さまざまな事情により自動車税を納税できない場合は、都道府県税窓口に相談してください。理由によっては、納税までの期間を延長する納税の猶予制度を利用できる可能性があります。

ステップ2:オンライン査定を活用

オンライン査定は、自動車税未納時の車売却において有効な手段です。複数の買取業者に一度に査定を依頼でき、時間と手間を節約できます。

ステップ3:複数業者で比較検討

未納車でも買取可能な業者が見つかったら、必ず複数社で比較しましょう。業者によって対応や査定額が大きく異なることがあります。


8. よくある質問と回答

Q1. 軽自動車の場合も同じですか?

A. 基本的には同じです。軽自動車税が未納の場合も、名義変更に支障が出るため、売却は困難になります。

Q2. 車検切れで自動車税も未納の場合は?

A. 一時抹消している車、つまり車検が切れられていてナンバーも返却されており公道を走行できない車は、自動車税や軽自動車税の課税対象ではありません。そのため、未納状態であっても売ることができます。

Q3. 4月に売却する場合の自動車税の扱いは?

A. 4月1日時点の所有者に納税義務があるため、4月2日以降に売却しても、その年度分の自動車税は元の所有者が支払う必要があります。ただし、買取業者によっては月割りで返金してくれる場合があります。

Q4. 納税証明書を紛失した場合は?

A. もし納税証明書を紛失した場合は、税事務所で再発行の手続きが可能です。再発行は通常無料で、即日発行される場合が多いです。

Q5. 個人売買の場合はどうなりますか?

A. 個人売買でも名義変更には納税証明書が必要です。トラブルを避けるためにも、必ず納税してから売買することをおすすめします。


<a id=”section9″></a>9. まとめ:賢い選択で損をしない売却を

自動車税未納での車売却について、重要なポイントをまとめます。

覚えておくべき3つのポイント

  1. 原則として未納車の売却は困難
    • 名義変更ができないため、正規の売却手続きが進められません
  2. 未納でも買取る業者は存在するが、大幅な減額は避けられない
    • 市場価格より10~20%以上安くなることも珍しくありません
  3. 最善の選択は納税してからの売却
    • 一時的な出費はありますが、結果的に最も得をする方法です

編集部からの最終アドバイス

車の売却を急いでいる方も多いと思いますが、自動車税未納のまま売却することは、結果的に大きな損失につながります。

何より、自動車税などの納税は自動車を所有して使っている方が果たすべき義務です。そのため、未納分がもし残っているようなら、その納付を済ませてから買取査定に出したほうがいいでしょう。

もし経済的に困難な状況にある場合は、恥ずかしがらずに税事務所に相談してください。分割納付や猶予制度など、様々な支援制度が用意されています。

私たち編集部は、読者の皆様が最適な選択をして、愛車を適正価格で売却できることを心から願っています。


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免責事項:本記事の情報は2025年7月時点のものです。税制や法令は変更される可能性がありますので、最新情報は各都道府県の税事務所にご確認ください。

出典

  • 総務省「地方税制度」
  • 国土交通省「自動車関係税制」
  • 各都道府県税事務所公式サイト